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薬剤師のワーク・ライフ・バランスのとりやすさが尋常じゃない件

薬剤師のワーク・ライフ・バランスのとりやすさが尋常じゃない件

1. 「ワーク・ライフ・バランス=プライベート優先」は誤解

近年では、キャリアを考えるうえで「ワーク・ライフ・バランス」という言葉がしばしば聞かれるようになりました。一方で、言葉が独り歩きしており、「ワーク・ライフ・バランス=プライベート優先の働き方」という誤解が広まっているようにも感じます。
皆さんは「ワーク・ライフ・バランス」を正しく理解できていますか?

内閣府の「仕事と生活の調和(ワークライフバランス)憲章」によれば、「ワーク・ライフ・バランス」は以下のように定義されています。

ワーク・ライフ・バランスとは「国民一人ひとりがやりがいや充実感を持ちながら働き、仕事上の責任を果たすとともに、家庭や地域生活などにおいても、子育て期、中高年期といった人生の各段階に応じて多様な生き方が選択・実現できる」こと

つまり、「プライベート重視」ではなく「仕事とプライベートの両立」が本来の趣旨。むやみやたらに「私(薬剤師)の都合を優先させるために、会社(調剤薬局)が我慢しろ」というのは少し筋が違うのですね。
では、ワーク・ライフ・バランスの定義を正しく理解していただいたところで、薬剤師は「仕事とプライベートの両立」がしやすい職種なのかデータをもとに検証していきましょう!

[この記事で書かれていること]
●薬剤師と一般職種のワーク・ライフ・バランスの実現しやすいのは...?
●[調剤薬局薬剤師]のワーク・ライフ・バランスのとり方
●[ドラッグストア薬剤師]のワーク・ライフ・バランスのとり方
●[病院薬剤師]のワーク・ライフ・バランスのとり方
●ワーク・ライフ・バランスのとりやすい薬剤師求人を探すポイント
●ワーク・ライフ・バランスのとりやすい職場に転職する方法


2. 薬剤師と一般職種のワーク・ライフ・バランスのとりやすさ比較

■ 薬剤師は相対的に年収が高く、残業も少ない

厚生労働省の「平成28年賃金構造基本統計調査」によれば、日本国民(正社員)の平均年収は454.3万円、月当たり平均残業時間15.0時間と言われています。
それに対して、薬剤師の平均年収は514.9万円、月当たり平均残業時間10時間

薬剤師は、一般平均に比べて年収が高いうえに残業時間も短いため、プライベートに割ける時間も費用も多く、ライフ・ワーク・バランスがとりやすいといえそうです。


[一般職種と薬剤師の平均年収と残業時間]

平均年収 平均残業時間/月
一般職種 454.3万円 15時間
薬剤師 514.9万円 10時間

■ 女性薬剤師は世間に比べて恵まれている?

これは女性に限定すると、さらに顕著な結果となります。
下の表のように、年収面では一般職種で働く女性に比べ女性薬剤師の方が約125万円多いにも関わらず、残業時間は一般職の女性より1.5時間少なく、10時間/月を割 っています。
女性薬剤師は残業がほとんどないのに、一般職種に比べて1カ月当たり10万円以上多く給料をもらっているというのだから驚きです。

[一般職種の女性と女性薬剤師の平均年収と残業時間]

平均年収 平均残業時間/月
一般職種 366.2万円 10.5時間
薬剤師 491.9万円 9時間

上の表では正社員の年収を比較していますが、薬剤師は一般企業と比べてパート職員の待遇が良いのも大きな特徴の一つです。 医薬分業が進む中で薬剤師の供給が追い付かず常に薬剤師不足の状態だったという経緯もあり、正社員だけでなくパートの待遇も良いという特徴があります。

たとえば調剤薬局薬剤師の場合、時給2,000円~3000円という求人は特に珍しくないですし、時には時給4,000円を超えるような求人も出てきます。
さらに、パートから正社員になりたいと思ったときに雇用形態を変えることも、一般職に比べてかなり容易です。

一般職では「いくら頑張っても正社員に上げてもらえない」という話を聞きますが、こと薬剤師においては「もっと正社員薬剤師を増やしたいのに、なかなか集まらない」と薬局の嘆きが聞こえてくるほど。
そのため、子育て中はパート薬剤師で、一段落したら正社員薬剤師へ転換というような働き方は、多くの薬局が歓迎しているのです。

以上のことから、「薬剤師、特に女性薬剤師は一般職種と比べてワーク・ライフ・バランスがとりやすい」と言えそうです。

[ポイントまとめ]
  ●薬剤師は一般職種に比べて<年収は圧倒的に高><残業は少>
  ●薬剤師が不足しているのでパートの条件もよく正社員にもなりやすい


では、次に業種別にワーク・ライフ・バランスのとりやすさを見ていきましょう。

3. 薬剤師業種別、ワーク・ライフ・バランスを実現するには

■ 調剤薬局薬剤師のワーク・ライフ・バランスのとり方

[平均的な調剤薬局薬剤師の勤務実態]

平均的な勤務時間 9:00~18:00
1ヶ月あたり残業時間 10~20時間
平均的な年収 546万円

※転職HAKASE独自調べ


調剤薬局の忙しさを決めるのは、一言で言えば「薬剤師一人当たりの1日の処方箋枚数」
一人薬剤師体制の調剤薬局をはじめ、薬剤師数に対してたくさんの処方箋がくるような職場だと勤務時間は長くなる傾向にあります。
万が一、薬剤師一人当たり処方箋枚数が40枚を超えている場合、それは違法就労です。「知らないうちに違法行為に身を沈めていた...」なんてことがないようお気をつけください。


全体として、子育てや介護などの事情による時短勤務や、正社員薬剤師からパート薬剤師への雇用形態の変更などは認められることが多い業界ですが、中小規模の薬局では経営者次第なところもありますので、事前に経営方針や福利厚生への考え方を調べることが大切です。

基本的に大手チェーンは福利厚生が整備されていて、育休・産休制度の実績も豊富なためワーク・ライフ・バランスがとりやすいと言われています。

■ ドラッグストア薬剤師のワーク・ライフ・バランスのとり方

[平均的なドラッグストア薬剤師の勤務実態]

平均的な勤務時間 9:00~20:00
※原則8時間勤務のシフト制 変形労働時間制
1ヶ月あたり残業時間 数時間~20時間
平均的な年収 550万円

※転職HAKASE独自調べ


ドラッグストアは調剤薬局に比べて、夜間や土日も営業しているところが多く、拘束時間は長くなりがちです。
また、薬剤師の入れ替わりが激しく、人材不足が恒常化している職場では、「仕事に追われる」ような働き方になってしまう恐れも。

一方で給与は調剤薬局よりも高い水準になります。
激務になりすぎない職場をうまく探せば、高年収でワーク・ライフ・バランスをとることが可能です。

ワーク・ライフ・バランスをとるための支援策については、調剤薬局業界と同じく大手の方が整っているといえるでしょう。

たとえば、退職から5年未満ならば退職時と同じ待遇で再入社できる復職支援制度や、介護や家族の事情がある場合に正社員から契約社員・パート社員へ雇用形態の変更を認める制度などが広まりつつあります。

■ 病院薬剤師のワーク・ライフ・バランスのとり方

[平均的な病院薬剤師の勤務実態]

平均的な勤務時間 8:30~17:00
1ヶ月あたり残業時間 10~40時間
平均的な年収 486万円

※転職HAKASE独自調べ


今回ご紹介する業種のなかで、最もワーク・ライフ・バランスをとりづらいのが病院薬剤師でしょう。
なぜなら、病院では基本的に人員を多めに用意するということがないので、現場は常に人手不足になりがちだからです。
なにより、多くの病院には当直勤務があります。医師や看護師と比べれば夜間の業務は少ないですが、夜通し拘束されることには変わりなく、生活のリズムが崩れるという声も聞かれます。

そのほか、病棟業務救急のチーム医療に参画している場合は、薬剤師の専門性を発揮するという点で非常にやりがいがあるものの、残業は多くなりがちです。

そんな病院薬剤師がワーク・ライフ・バランスを実現させるためには、「当直がない」かつ「救急受け入れがない」病院が候補となるでしょう。
残業については、病院によってまちまちですので事前のリサーチが重要です。

【関連記事】
▼病院への転職ってどうなの?
https://tenshoku-hakase.com/category/work/hospital.html

■ 製薬会社薬剤師のワーク・ライフ・バランスのとり方

[平均的な製薬会社薬剤師の勤務実態]

平均的な勤務時間 9:00~18:00
1ヶ月あたり残業時間 数時間~10時間
平均的な年収 430万円

※転職HAKASE独自調べ


製薬会社で薬剤師が就く業種は、研究・開発職もしくはMR・MSなどの営業職が中心となります。 研究・開発職については、新薬を取り扱う製薬会社の方が、ジェネリック医薬品の製薬会社に比べて、高年収である代わりに残業が多い傾向にあるようです。

営業職の場合は、いわゆるサラリーマンとしての働き方をイメージしてもらえれば良いでしょう。ただ、MRは実績に応じて給与が大きく変動するため、高年収を望むほど残業や業務外の付き合いなどの時間が増えていくことになります。

企業体制や職種によって差はあるものの、調剤薬局やドラッグストアに比べて、残業時間や有給消化率の管理に意識が高い企業が多く、総じてワーク・ライフ・バランスをとりやすい環境と言えそうです。

4. ワーク・ライフ・バランスがとれる薬剤師求人の探すポイント

■ 調剤薬局の薬剤師求人の場合

調剤薬局の場合、大学病院やカリスマドクターが開業するクリニックなど、患者が集まりやすい医療機関の近くにある調剤薬局は忙しいことが多いです。

薬局のまわりにある医療機関をリサーチしたり、職場見学を通じて実際の働き方を見たりして、ワーク・ライフ・バランスを満たせる業務量か確かめることをおすすめします。

■ ドラッグストアの薬剤師求人の場合

ドラッグストアは、その店舗の特徴をおさえることが大切です。
オフィス街でコスメなどに注力しているドラッグストアは、平日18~19時ごろが最も忙しくなり、週末はゆとりがあります。逆に、住宅街にある店舗などは、たくさんの人が訪れる週末が勝負所で、平日は落ち着いています。

たとえば、平日のフルタイム勤務が難しいママ薬剤師のなかには「平日は週3で時短勤務をする代わりに、人手の足りない土曜日は流動的に出勤。私は保育園の送り迎えができるし、職場は忙しい土曜日の人手を確保できるからWin-Winで働けている」という人も。こうした工夫があると、お互いに気持ちよく働けますね。

■ 病院の薬剤師求人の場合

病院薬剤師の場合、やはり当直の有無は大きく働き方に影響を与えます。
当直がある場合、まずは救急指定病院かどうかをチェックしましょう。救急指定病院でない場合は、入院患者の急変対応が中心となるため、夜通し常に忙しいということはないようです。

救急指定病院の場合は、「救急搬送患者受入件数」が一つの目安となるでしょう。
これは文字通り、1カ月当たり何人の救急患者を受け入れているかを表しています。
病院がどの程度救急医療に力を入れていて、夜間に何人くらい患者が運び込まれてくるのかイメージしやすくなります。

■ 製薬企業の薬剤師求人の場合

MRの場合、残業手当や休日出勤手当はあるものの、新薬発売時などの繁忙期はもとより、普段から土日祝日がセミナーや学会などで潰れることが少なくないようです。
土日祝日は家族と過ごす時間を大切にしたいと考えている薬剤師は、研究・開発職などの職種が良いでしょう。

研究・開発職については、仕事にウェイトを置くならば残業はあるがやりがいも大きい新薬の製薬会社、プライベート重視ならば、新薬の研究・開発よりも比較的ゆとりをもって働けるジェネリック医薬品の製薬会社をおすすめします。

5. [まとめ]薬剤師のワーク・ライフ・バランスのとり方と情報収集の方法

[薬剤師のワーク・ライフ・バランスについてのまとめ]
●薬剤師は一般職種に比べて高年収で残業も少なく、ワーク・ライフ・バランスを取りやすい職業

[調剤薬局薬剤師]
 処方箋枚数に気をつければ、比較的ワーク・ライフ・バランスがとれる
 調剤薬局は探すときは、周辺の病院・クリニックについてもリサーチが必要

[ドラッグストア薬剤師]
 近年、大手を中心に支援策が整いつつある
 ドラッグストアを探すときは、店舗の忙しい日を把握する

[病院薬剤師]
 残業が多いなど、比較的ワーク・ライフ・バランスの実現が難しい
 病院を探すときは、当直の有無と救急医療への注力度を調べる

[製薬企業薬剤師]
 高待遇を望むほど、働き方はハードになっていく
 製薬企業を探すときは、どこまで仕事にウェイトを置くか明確にすることが大事

いかがでしょうか。
同じ薬剤師でも、業種によってワーク・ライフ・バランスのとりやすさはまったく異なることがご理解いただけたのではないかと思います。
そして、同じ職種のなかでも職場によってワーク・ライフ・バランスのとりやすさはピンキリであり、事前のリサーチを決しておろそかにできないということも分かります。

とはいえ、「自分ですべての職場の情報を集めるのは大変...」という方も多いと思います。そんなときは、薬剤師専門の紹介会社を利用することを強くおすすめします。
紹介会社は会社ごとの残業時間や有休取得率、産休・育休取得実績などをおさえているのはもちろん、職場の雰囲気なども独自のネットワークで調べることが可能です。
紹介会社は無料で利用することができますし、「実際に入社したら、自分の調べた情報と全然違った」ということを避けるためにも、使わない手はないでしょう。  

近年、医師の働き方問題などが世間を賑わせていますが、薬剤師業界でもまだまだブラックな働き方をしている方が多数います。薬剤師の皆さまが、仕事もプライベートも両立させて働ける職場に移れるよう、お祈りしています。

【関連記事】
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