
■ 40代 男性薬剤師 プロフィールとこれまでの経歴
福岡県北九州市在住。妻と2人の娘との3人家族です。
妻とは大学時代に東京で出会って結婚しました。5年前までは東京で働いていたのですが、ゆくゆくは地元に帰ると決めていたので、上の子が小学校に上がるタイミングで福岡に戻ってきました。
妻も薬剤師で、子供が生まれてからしばらく休職していましたが、4月から復職予定です。
■ 転職をしようと思ったきっかけ
最も大きい理由は人間関係ですね。
私は管理薬剤師をしていたのですが、その薬局で長く働くお局の事務職員との関係性が悪く、患者様や他の従業員を巻き込んでしまっていたので、自分がこのまま勤務を続けることは誰にとってもよくないのではないかと思い退くことにしました。
家族への影響も心配でしたし。
■ 条件BEFORE→AFTER
転職前 | 転職後 | |
---|---|---|
年収 | 750万円 | 680万円 |
勤務地 | 福岡県北九州市の個人薬局 | 福岡県北九州市の中堅チェーン薬局 |
通勤時間 | 車で30分 | 車で20分 |
業務内容 | 管理薬剤師 | 管理薬剤師 |
■ 30代後半で東京からUターン転職して地元へ。そこで感じた地域性...
大学進学で東京へ上京し、そのまま東京で就職しました。
妻とは薬学部時代からの友人で、いずれは福岡へ帰ることを前提にした上で結婚しました。
もちろん妻も薬剤師で、東京では管理薬剤師としてバリバリ働いていました。
出産を期にしばらく育児に専念する生活をしていましたが、福岡に帰ることが決まった時も、「薬剤師免許があれば、日本全国どこでも働けるんだから、私は大丈夫!」と娘二人を抱えて言い切る姿を見て、「ああ、やはりこの女性は強いんだなあ」と誇らしく思いましたね。
東京では最初大手のドラッグストアに就職しました。数年勤務して調剤薬局へ転職。2年後には管理薬剤師になり、その後約9年間管理薬剤師のポジションで働いていました。
いずれもチェーン展開する比較的大手の企業ということもあり、当たり前の教育・研修は一通り受けてきていますが、マネジメントについてはまだまだだなあ。と感じていました。
薬剤師のキャリアは働く企業の規模や方針に加え、国の方針等でも変わってきますからね。
そんなことを考えているうちに、上の娘が小学校入学のタイミングが近づいてきました。
小
学校に入ってからの引っ越し・転校は避けたいと思っていたので、このタイミングで地元に帰る事にしました。
先に言ったように妻も快諾してくれ、Uターンしてきたのが約5年前です。
東京に比べると圧倒的に中小の薬局が多い土地柄ですから、先ずは人づてに情報収集を。と思ったところすぐに親戚の伝手で人手が足りないという調剤薬局の勤務薬剤師の話がやってきました。
前職では管理薬剤師でしたので年収はそこそこ高かったのですが、知人紹介ということもありあまり強気に交渉できず...年収は落として入職を決めました。
― レベルの低いサービスに愕然。徐々に崩壊する人間関係
そこは田舎の典型的な個人経営薬局らしく、事務職の女性の権力が異様に強く、店を仕切っているような状態でした。
患者様への言葉遣いや態度も、きちんとした応対の訓練を受けているとはとても思えない横柄な物言いで...。
正直、レベルの低さを痛感しました。
そうは言っても近所のご老人が多く通う薬局ですから、それで患者様ともうまくいっているのであればまあいいか。と思いながら私も腰を低くして働いていたのですが、入社して2年足らずで管理薬剤師が体調を崩して退職することになり、私にそのポジションが回ってきました。
そこからが悪夢の始まりです。
私としては管理薬剤師としてすべきことをしているだけなのですが、彼女はとにかく気に入らないようで患者様にも他の従業員にも私の陰口を言ってばかり。経営者も彼女には強く言えないようで私から直談判しても殆ど意味がなく、他の従業員も苦笑いで話をあわせる始末。小さい薬局では人間関係がこじれた時の逃げ場はないのでストレスをためつつ淡々とこなすことに集中しました。
管理薬剤師になって年収はもとの水準まで戻りましたが、こんなに人間関係が劣悪な環境では長く働けないと、次第に転職を意識するようになったのです。
田舎の小さなコミュニティですから家族の方にも影響が出てくることも懸念されましたしね。
― ついに転職活動開始
妻にも愚痴のような相談を常々していたので、転職すると決めた時は大賛成されました。
早速転職サイトに登録するよう勧められたのですが、このあたりで転職する際に紹介会社を利用する薬剤師は多くありません。というのも、やはり小規模な個人薬局が多く、紹介会社を使って求人を出すようなところがないんです。
薬剤師側も、そんなたいそうなサービスを使わなくとも、働くところは知人紹介で十分見つけられると思っているんです。
そんな話を妻にしたところ、「それで失敗したんだし、相談に行くのはタダなんだから相談した方がいい!」と言われ、それもそうかと登録したのが今回お世話になった紹介会社でした。
転職サイトを使って登録すると、数分と待たずに紹介会社のコンサルタントに連絡をもらいました。簡単に事情を説明し、後日直接合って面談を行ったのですが、私なんかよりずっとこちらの事情を知っていて、やはり一度話を聞いてみてよかったと思いました。
初めは、「多くを望むわけではなく、患者様のためにも薬剤師としての職務をきちんと全うできる環境が欲しいだけなんです!そんな職場はありますか?」
と意気込んで言ってみたものの、コンサルタントからは
「このあたりは大手やチェーン薬局が少なく、地場の薬局がパワーをもっていることもあり、昔からの慣習や付き合いの中で体制を変えずにやってきている薬局が多い。
今回経験されたようなパワーバランスの歪んだ薬局は珍しくなく、そうでなければ社長がワンマンだったり、経営状況が悪かったり。そんな状況です。」
という説明を受けました。「やっぱりそうか...。」と肩を落としかけたとき、
「だからこそ、紹介会社を使うというのが正解なんです!この転職は成功させますから安心してください」
と、力強く声を掛けてもらい、なんだか肩の荷がおりたように気持ちが軽くなりました。
こんな環境だからこそ、事前に転職先の経営状態や人間関係、方針等を知った上で選ぶ必要があるんですよね。そこからざっと希望を伝えて幾つかの求人を提案してもらいました。
年収や勤務条件というよりは企業の方針だったり、人間関係だったり、職場環境が大事だということは理解してもらえているので、内情含めて安定しているところを勧めてくれました。
そしてその中から2社に絞って面接を受けました。
最終的に選んだのは在宅に力を入れている、比較的若い薬剤師が多く在籍する勢いのある調剤薬局です。私自身在宅の経験もあるのでイメージが付きやすかったのと、時代に沿った企業の戦略にも共感できました。
また若い層が多いということで教育やマネジメントのしがいもありそうだと思ったのも理由の一つです。
― こんな環境だからこそ使ってよかった紹介会社
年収については期待していませんでしたが、管理薬剤師のポジションということもあり、思ったより高年収でオファーをもらえたのは、紹介会社の担当コンサルタントが交渉を頑張ってくれたおかげです。
彼にはとても感謝しています。
また、今回の転職を通して、地域性の違いを認識したうえで転職する方法を選ぶことがとても重要だ、ということを痛感しました。
初めは、地域がらわざわざ紹介会社を利用して転職するなんて。と思っていたところもあったのですが、間違いでした。こんな土地柄だからこそ、たびたび転職を繰り返さないためにも紹介会社を利用すべきなんだと思います。
知人の紹介や一人で転職活動をしただけだと実際の職場の内情まではわかりませんからね。
もしも知り合いの薬剤師で同じような悩みを聞いた場合は是非進めてみようと思いました。
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