
世の中でブラック企業が取り沙汰されるようになってから久しく経ちます。
薬剤師業界でも「無資格調剤」「薬歴未記載」「サービス残業」等、ブラックな話題には事欠きませんね。 今回はその中でも派遣薬剤師業のブラック事例について注意度順にご紹介します。
こんなブラック派遣は即刻お断りですよ!!
第3位 (注意度★★)強制就労の悲劇
派遣初心者のAさん。
時給が高く融通の聞く派遣薬剤師の魅力に惹かれて派遣登録し、近所の調剤薬局で働きはじめました。はじめは月曜日~金曜日の週5日勤務で働いていましたが、ある土曜日をきっかけに状況は一変してしまいました。
ある日、管理薬剤師から
「この土曜日スタッフが足りなくて困ってるんだけど・・、お願いできない?」という相談が。管薬も同僚の薬剤師もいい人ばかりでしたし、特に予定もなかったAさんは快く承諾してしまいました。しかし、これが悲劇の始まりだったのです。
その後も度々土曜日出勤を要請されるようになり、ついには社員同様に土曜日のシフトに組み込まれてしまいました。独身ということもあり都合がつきやすいという理由から、半ば強制的に毎週土曜日に出勤することになってしまったAさん。こうなると自分から断ることはできません。
しぶしぶ土曜日出勤をすることに・・・。
意外とよくある「契約外就労」。
ブラック派遣の注意度は★2つです。
本来であればいかなる勤務条件も派遣スタッフと派遣先企業で直接交渉することはできません。
雇用側の派遣先も「働いた分払うんだから問題なし」と、誤った理解をしている場合も多いんです。
派遣先の管理薬剤師や薬局長等から相談を受けた場合は、自己判断せず必ず派遣会社を通してもらうようにしましょう。
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ブラック派遣で泣く前に信頼できる派遣会社に登録して相談しましょう。
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第2位 (注意度★★★)給与未払いの危機
個人薬局で派遣薬剤師として働いていたBさん。
近所にできたOTC併設の大型薬局に押される形で、経営状態があまりよくないことはなんとなく感じつつも、3ヶ月ごとの派遣契約も滞りなく更新されていたため、気にしないようにして就業していました。
しかし、ある日派遣会社の担当者から連絡があり、勤務先薬局の倒産と、1週間後の閉店が告げられたのです。完全に寝耳に水のBさん。派遣会社の担当者も焦っている様子でした。
契約期間も残っているし、働き先はないし、倒産となると給与も出ない!!
どうすればいいの??
給料日に給与が支払われない「給与未払い」「支払遅延」「滞納」というのはよく聞くブラック事例の一つ。
ブラック派遣の注意度は★3つです。
未払いの問い合わせをしている最中に、派遣先企業が倒産してしまうという最悪のケースもあります。
薬剤師さんとってみたらこれほど悲惨なことはありません。
しかし、今回の場合は派遣会社の給与補償制度によりBさんへの給与はきちんと支払われたようです。
こんな派遣先企業は絶対避けたいですね。
経営状態の危機を感じ取ったら、共倒れになる前に自ら身を引く勇気も必要なんですね。
第1位 (注意度★★★★★)違法就労の落とし穴
出産を期にそれまで働いていた病院を退職し育児に励んでいた薬剤師のCさん。
それまでは病院一筋、病棟業務もこなすベテラン病院薬剤師でした。
育児にも慣れてきたタイミングで復職を考えたCさんは数年のブランクを懸念し、ひとまず派遣で働くことを考えました。そこで登録した派遣会社に紹介されたのが、病院勤務の求人でした。少ない時間から始め、除々に勘を取り戻していくにはうってつけの条件だったので喜んで受けることにしたそうです。
しかし、この時のCさんは知りませんでした。
労働者派遣法により病院・診療所への薬剤師派遣は特別な事情を除き、禁止されているということを・・・。
ちなみに、病院への派遣が認められる条件は以下の通り。
・紹介予定派遣をする場合
・当該業務が産前産後休業、育児休業、介護休業を取得した労働者の業務である場合
・厚生労働省が定めるへき地に該当する施設の場合
ある日行政からの改善命令が入ったことを受け、急遽就業打ち切りに。
契約更新した矢先の出来事でした。
ま、まさか、自分が「違法就労」していたなんて・・・。
これは論外の大問題です。
ブラック派遣の注意度はMAX★5つ。
ブラックの中のブラックです。
派遣会社側は違法と認識しながらスタッフを次々と派遣していました。
しかし、派遣の経験がないCさんはそんなこととはつゆ知らず。疑うことなく病院勤務を続けていたわけです。
その後、Cさんには派遣会社側から新たな派遣先の提案があったそうですが、そんな派遣会社はもう信用できないという理由から別の派遣会社に登録。
現在は調剤薬局へ勤務しているそうです。
病院派遣薬剤師についてもっと詳しく知りたい場合はこちらの記事がおススメ!
【病院派遣薬剤師の基本】ブラック?違法?病院未経験でも働ける?
https://tenshoku-hakase.com/category/work/post_39.html
番外編 辞めたくても辞められない‥涙の通勤時間
当時妊娠中だった薬剤師のDさん。
あと2ヶ月で産休取得に入るというタイミングで、就業していた派遣先との契約が満了してしまいました。産休開始予定日の前日までの派遣先契約がないと産休の取得ができないため、なんとか更新できないかと交渉を依頼したものの、応じてもらえませんでした。
大きなお腹を抱えた自分にとって、新しい派遣先での就業は不利な状況とは理解しつつも、産休取得には2ヶ月分の就労がどうしても必要になるため、派遣先を紹介してもらえるよう派遣会社にお願いしました。
すると、「通勤時間を妥協できる場合は1件だけ紹介可能な薬局がある」と言われました。
詳しく聞いてみると、なんと自宅から2時間近くかかる距離。しかし、迷っている時間はありませんでした。今辞めてしまうと産休取得ができないという思いから、Dさんは2時間の通勤時間を覚悟します。
正直、重くなってきたお腹を抱えての2時間の通勤は過酷を極めました。
当然の事ながら周囲からの猛反対を受けたDさん。通勤中に涙したこともあったそうです。なんとか最後まで勤め上げ、無事最後の日を迎えたDさん。派遣で産休・育休の取得がスタンダードになりつつあるのにも関わらず、自分がこんなに苦労するなんて思わなかった。
と、Dさんは振り返ります。
このケースはブラックとは言わないまでも、ご本人にとっては心身ともに辛い時期を過ごすことになり、まさに悲劇です。
派遣会社によってはあまり細やかに求人の状況を確認しないと聞きます。
そして、実際に妊娠後期の派遣スタッフにとって新規派遣先との契約は難しいのは事実。
派遣会社としても、「断られることがわかっているから」という理由で次の派遣先を探すこともせず、そのまま未就業状態で産休取得ができない状況に追い込まれるケースは少なくないんです。
今後、出産の予定のある薬剤師さんにとっては産休・育休取得がきちんと取れることは重要なポイントとなりますね。登録の派遣スタッフ一人ひとりの状況に合わせ、最善な条件の派遣先を紹介してくれる派遣会社を選びたいものです。
気になるポイントは派遣会社の担当に直接聞くようにしましょうね!
派遣会社選びに迷っている方はこちらの記事を参考に自分に合う派遣会社を選んでみてくださいね。
派遣会社は1社ではなくいくつか登録して比較してみるのがおススメですよ!
[派遣薬剤師の全情報]メリット・デメリットや派遣会社の選び方
https://tenshoku-hakase.com/category/useful/haken_2018matome.html
[薬剤師の派遣会社比較]実は盲点?福利厚生の充実度は要チェック!
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