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薬剤師からケアマネージャーってアリ?資格・年収・働き方など徹底リサーチ

薬剤師からケアマネージャーってアリ?資格・年収・働き方など徹底リサーチ

日本の高齢化社会の実情

日本の高齢化率(総人口に占める65歳以上人口の割合)の高さは、みなさんの知るところですが数字でみると26.8%(2016年時点)と、約3人に1人が高齢者という計算です。
諸外国と比べ群を抜いて高齢化社会が進んだ国と言えます。
ドイツ 21.5%
アメリカ 14.5%
韓国 13.2%
中国は10%以下 出典:厚生労働省老健局「日本の介護保険制度について」

また、高齢者人口の増加とともに介護産業の市場は年々拡大を続けており、2007年の市場規模は6.4兆円でしたが、団塊の世代が後期高齢者になる2025年には市場規模100兆円を超える市場に成長する見込みです。

現状の要介護者認定者数は630万人を超えており、特に75歳以上の後期高齢者、また85歳以上の超高齢者人口は伸び続けていくと推計されています。
出典:厚生労働省「介護分野の最近の動向」

一方で保険料を負担する40歳以上人口は減少し、現在は1人の高齢者を2.6人で支えている社会構造ですが、2060年には1人の高齢者を1.2人で支える社会構造になると想定されています。
保険料の減少はもちろん介護職人口の減少も日本の今後の介護市場における大きな問題の一つです。
出典:厚生労働省老健局「日本の介護保険制度について」

■2018年の介護保険制度の改正されたポイント

3年毎に改正が行われている介護保険法。
2018年の改正では主に以下のような点が改正対象となりました。

1)自己負担額の引き上げ
もともとは利用者負担1割で始まったこの制度。
しかし2014年の介護保険法改正の際に、所得金額に応じて負担額が変わる仕組みが導入されました。
このタイミングで一定以上の所得のある利用者負担は2割に引き上げられたのですが、今回の改定ではさらに高所得者の負担を上限を設けたうえで3割まで増やすことがきまりました。

2)福祉用具価格の正常化・公正化
福祉用具のリースをする際の価格設定は業者によって様々でした。そのため全国平均の金額を国が示し、利用者が適正な価格で貸与を受けられるよう是正していきます。
3)介護保険施設「介護医療院」の創設
4)高齢者と障害児者を対象とした「共生型サービス事業所」を創設

■介護市場の実情

先でも述べたとおり介護ビジネスは日本の高齢者増加に比例して急激に拡大を遂げています。

今後も市場拡大が確実に見込める市場でありながら、そのほとんどが国の介護保険制度で保証されており、 かつ介護保険制度で民間企業やNPO法人の参入が認められていることから、事業者にとって非常にリスクの少ない業界でもあります。

しかしその一方で人材不足や介護レベルの低下、被介護者への虐待・事故等様々な慢性的問題を抱えているのも事実です。

■介護に関わる職場

それでは次に実際の介護の現場についてみてみましょう。
まずは介護現場についてです。介護職で活躍でいる場は様々あります。

●特別養護老人ホーム(特養・老人福祉施設)
 比較的よく取り上げられるのはこちらの特養です。
 比較的要介護度の高い高齢者が入居し24時間体制でサービスを受けることができる公的な介護施設です。
 介護保険で賄われる公的施設のため料金が安く、多くの入居希望者が空きを待っている状態です。多くの方が終の住処として入居されます。
●介護老人保健施設
 こちらは機能回復した上での退所を前提とした施設です。
 介護職員だけでなく、医師、看護士、理学療法士などリハビリを行うための専門家も常駐し機能改善の支援を行います。
●有料老人ホーム
 民間企業が運営する、有料サービスを受けることのできる生活支援のための老人ホームです。
 民間企業が母体なので介護の質の高さはもちろん職員の待遇改善にも積極的に取り組まれています。
●認知症グループホーム
認知症の高齢者がグループで共同生活を行なう施設です。
●サービス付き高齢者向け住宅
 高齢者専用の賃貸住宅です。
60歳以上で軽度の要介護者までが入居条件になっているため、自立して生活することができる施設です。
訪問介護サービスを行っている事業所が多いのも特徴です。
●ショートステイ
●デイサービス(通所介護)
●デイケア(通所リハビリテーション)
●小規模多機能施設
●訪問介護・訪問入浴

■介護に関わる職種

介護職と一口にいっても実際に施設や訪問等により身体介護を行う仕事から、裏方で支える仕事まで様々な職種があります。

●介護・ヘルパー・訪問介護
 介護福祉士/介護職員初任者研修/実務者研修
●看護(施設内・訪問)
 正看護師/准看護師
●ケアマネ業務
 介護支援専門員(ケアマネージャー)/主任介護支援専門員
●相談援助(ソーシャルワーク)
 社会福祉士/社会福祉主事任用/精神保健福祉士
●リハビリテーション・機能訓練指導員・介護予防
 理学療法士(PT)/作業療法士(OT)/言語聴覚士(ST)保健師
●その他 介護事務など


■ケアマネージャー(介護支援専門員)ってどんな職種?

それでは今回は介護職の中でもケアマネージャーについて詳しくみてみましょう。

「ケアマネージャー」(正式名称:介護支援専門員 / 通称:ケアマネ)は、要介護者の支援を目的とし、2000年の介護保険法施行にともなって誕生しました。

介護保険法に基づき、要介護者・要支援者、またその家族の相談を受け、必要に応じた介護保険サービスを受けられるようサポートしていく職種です。
介護が必要な人およびその家族と、介護保険サービスをつなぐ介護のコーディネーターの役割を担っています。


(介護保険法第7条第5項)
この法律において「介護支援専門員」とは、要介護者又は要支援者(以下「要介護者等」という。)からの相談に応じ、及び要介護者等がその心身の状況等に応じ適切な居宅サービス、地域密着型サービス、施設サービス、介護予防サービス若しくは地域密着型介護予防サービス又は特定介護予防・日常生活支援総合事業(第百十五条の四十五第一項第一号イに規定する第一号訪問事業、同号ロに規定する第一号通所事業又は同号ハに規定する第一号生活支援事業をいう。以下同じ。)を利用できるよう市町村、居宅サービス事業を行う者、地域密着型サービス事業を行う者、介護保険施設、介護予防サービス事業を行う者、地域密着型介護予防サービス事業を行う者、特定介護予防・日常生活支援総合事業を行う者等との連絡調整等を行う者であって、要介護者等が自立した日常生活を営むのに必要な援助に関する専門的知識及び技術を有するものとして第六十九条の七第一項の介護支援専門員証の交付を受けたものをいう。

■ケアマネージャー(介護支援専門員)の具体的な業務内容

ケアマネージャー(介護支援専門員)は実際の身体介護は行いません。
具体的な業務はこれらになります。

[ケアマネージャー(介護支援専門員)の業務内容]
●要介護認定に関する業務
 要介護認定に関する書類作成や申請代行、認定に必要な聞き取り調査
●介護支援サービスに関する業務
 要介護者とその家族の課題・問題のヒアリングを行いケアプランの作成、サービス業者のアレンジメント(仲介調整)
●給付管理に関する業務
 介護保険の給付金額や自己負担額の計算、給付に関する業務
 自己負担は1割~2割(全体の9%)
●利用者のモニタリング
 月1回以上の訪問と面接を行い、長期的にフォロー

■ケアマネージャー(介護支援専門員)に求められること

多くの利用者にとって初めての介護であることが多く、かつ早急な対応を求めているため、まずは利用者の意向をすばやく正確に汲み取る高い「アセスメント能力」が求められます。

そして最適なケアプランを作成した上でサービス事業者と調整を行う「調整力」、書類手続きをもれなく進めるための「事務処理能力」等が求められます。

被介護者がより良い生活を送れ、自立を支援することがケアマネが担う役割になります。
また、医療関連職種との連携を取りながら介護プランを作成していく必要があるため、医療に関する知識があるとよりコミュニケーションは取りやすくなるでしょう。

■ケアマネージャー(介護支援専門員)の抱える問題

★実質稼働率の低さ
現在67万人もの有資格者がおり、毎年1万6000人もの合格者が輩出されているケアマネージャ―資格。
しかし実際は全体の3割程度の稼働率で、その資格を生かしてケアマネとして仕事についている人は少ないようです。

★資格取得難易度の高さ
さらにケアマネの資格は国家資格ではないものの、医師、看護師、薬剤師などの国家資格保有者であることが前提となっており、 仮に試験に合格したとしても87時間以上の実務研修を受ける必要があります。
働きながら資格取得するにはハードルが高く、かつ難易度は年々上がってきているともいわれています。

★離職率の高さ
もともと介護職員の離職率は一般的なホワイトカラーに比べて高く16.7%です。
なかでもケアマネの離職率は高く19.7%にもなります。

全産業 15%
介護職 17.2%
ケアマネ 19.7%
薬剤師 9%


★残業時間の長さ
ケアマネの平均残業時間は60時間/月、一日あたり平均3時間の残業をしているケアマネが多いようです。
しかし実際にはケアマネの半数以上が女性。
育児との両立が難しいため出産を機に離脱してしまうケアマネが多いようです。

★ケアマネの高齢化
介護職であるケアマネ自身も高齢化が進んでいます。
なんと、活躍しているケアマネの半数が50代以上
40代で3割と、若い層が不足している職種なんです。

★他職種との連携
実はケアマネの6割が介護系出身者(その他看護師2割、薬剤師1%以下)です。
そこで出てくる問題が、医療と介護の連携の問題です。
実際には医師とケアマネとのコミュニケーションの問題になります。

ケアマネは介護に関する経験はあれども医療的知識が不足していることが多いです。
担当している介護者が入院することになった際は医療機関との入院時連携を行ったり退院時の退院調整も必要です。
これらのタイミングで主治医とのすり合わせを行う必要がありますが、多忙な医師やその他の職種との調整がうまくいかなかったり、なんとか時間を合わせられたところで、 不用意な質問で医師との関係性に溝を作ってしまったりと、他職種連携に関するコミュニケーションの課題は問題視されています。

■ケアマネージャー(介護支援専門員)になるには?

ケアマネ(介護支援専門員)の資格は国家資格ではなく都道府県単位で管理される資格。
勤務地もしくは居住する都道府県で「介護支援専門員実務研修受講試験」に合格し、87時間の研修を受けることで取得できる仕組み。

[資格取得までの流れ]
1:受験の申し込み
都道府県によって日程は異なります。
2:介護支援専門員実務研修受講試験
試験は年に1回、毎年10月頃実施
3:合格発表(12月)
4:実務研修(1月~3月)
87時間以上の研修
5:資格登録
各都道府県の介護支援専門員名簿に登録を申請し、[介護支援専門員証]の交付を受ける

合格率は年々下がってきており平成28年度の試験では、合格率10%を割った都道府県が続出。難易度は高いと言えます。
介護支援専門員証の有効期間は5年で、更新するには、更新研修等の所定の研修を受講し、更新手続きを行う必要があります。


■ケアマネージャー(介護支援専門員)の受験資格

平成28年度以降受験資格の要件に変更がありました。

【受験資格】 ※H29年以降
●医師、歯科医師、薬剤師、保健師、看護師、社会福祉士、介護福祉士などの国家資格に基づく業務に、5年以上かつ900日以上従事する者
●施設等での相談援助業務に通算5年以上かつ900日以上従事する者

上記でわかるように介護支援専門員の資格取得には国家資格を取得した後の実務経験が求められるため、介護に関連する資格の中でもかなりハードルは高い資格です。


■ケアマネージャー(介護支援専門員)の給与・年収

介護において要介護者に寄り添い輪の中心に立つ重要な職種ということもあり、ケアマネの給与は、一般的な介護職よりも高い水準になっています。


[平成29年 常勤の介護従事者の平均給与額]

月額給与
ケアマネージャー(介護支援専門員) 348,760円
看護職員 371,430円
生活相談員・支援相談員 323,690円
事務職員 304,740円
介護職員 297,450円

参照:厚生労働省「平成29年度介護従事者処遇状況等調査結果」


それでは次に薬剤師の年収と比較してみてみましょう。


[最新比較]薬剤師年収とケアマネージャー年収推移

ケアマネージャー 薬剤師
2017年 3,774,800円 5,438,200円
2016年 3,759,600円 5,149,000円
2015年 3,706,500円 5,334,900円
2014年 3,722,500円 5,311,700円
2013年 3,665,600円 5,326,600円
2012年 3,671,300円 5,289,100円
2011年 3,779,500円 5,003,000円
2010年 3,787,300円 5,181,900円

参照:厚生労働省「平成29年賃金構造基本統計調査 結果」より

ケアマネージャーの年収は介護市場の需要拡大に比例するかたちで、ここ数年で右肩上がりに上昇しています。
介護職の待遇見直しにより今後も更に増えて行くことが予想されます。

■薬剤師からケアマネージャー(介護支援専門員)へのキャリアアップ

介護支援専門員の資格を持っている人は、高く評価されます。

介護が必要になった際、介護保険の手続きやケアプランの作成、必要なサービス事業者の手配や調整など、介護におけるケアマネのポジションは非常に重要です。
資格を取得していれば手当がつく場合もあるため、とりあえず資格だけ取っておく人もいるようです。

医療従事者でありながらケアマネ資格を取得することで、ケアマネに不足しがちな医療知識が補完されたより価値の高いケアマネになれるはずです。
キャリアアップの道を模索している薬剤師にはうってつけの資格かもしれませんね。

■ケアマネージャー(介護支援専門員)に関するまとめ

●ケアマネは介護職の中で安心して介護生活を送るためのとても重要な役割を担っている
●ケアマネの仕事は介護生活全般をコーディネートする重要な仕事
●ケアマネの問題は「人材不足」「試験の難易度」「高い離職率」「残業の多さ」「高齢化」「他職種連携のコミュニケーション」にあり
●ケアマネの給与は介護系の多職種よりも若干高く、月額348,760円
●ケアマネ資格の取得の難易度は高く、受験資格も厳しい(国家資格保有)

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