
一般的には高年収と言われている薬剤師の年収。
とはいえ、生涯薬剤師として働いていく上でできるかぎり年収をあげていきたいと考えるのは当然のことです。
転職HAKASEの元にも「薬剤師で年収1000万円を超えることはできますか?」と相談に来られるかたもしばしばおられます。
答えから言うと、薬剤師で年収1000万円は可能です。
ではどうすれば確実に年収をあげることができるでしょうか。
ここでは薬剤師の年収をあげるその方法を今回は詳しく紹介していきます。
年収アップのバイブルとして必読の保存版です!
また、新型コロナウイルス感染拡大は各業界の薬剤師求人にも大きな影響を与えました。
薬キャリのコンサルタントに聞いた各業界の動向についても合わせてご覧ください。
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年収1000万円を狙うには、市場を正しく理解した上でプランを立てて臨む必要があります。
そこで、まずはじめに、薬剤師の平均年収の推移をさかのぼってみていきましょう。
直近で集計されたデータによると薬剤師の平均年収は、543万5900円でした。
※参照 厚生労働省「賃金構造基本統計調査」2010年~2018年を元に集計
薬剤師という仕事は一般職種に比べて初任給が高く、その後の伸長率が低いことで知られています。
年功序列の賃金構造になっている企業も少なくないため、実績を上げても給与に反映されないことも多く、また、そもそも業務内容が一律なので抜きん出た成果としてアピールしにくい
側面もあります。
業種によっても給与差はあります。一般的に知られていることとしては「病院は低く、ドラッグストアは高い」ことでしょう。
実際のところhはどうでしょう。業種別平均年収をみていきます。
■調剤薬局で働く薬剤師の年収実態
中央社会保険医療協議会の調査データから「調剤薬局で働く」管理薬剤師および勤務薬剤師の年収額を抜き出したものです。 いずれも平均給料額と賞与額を足したものを年収金額として提示しており、それぞれ1店舗〜20店舗以上まで、店舗数ごとの金額を算出してあります。
[店舗規模別 管理薬剤師の年収]
管理薬剤師 | 給料額(A) | 賞与額(B) | 年収金額(A)+(B) |
---|---|---|---|
全体平均 | ¥6,858,125 | ¥808,671 | ¥7,666,796 |
1店舗 | ¥9,602,995 | ¥475,652 | ¥10,078,547 |
2~5店舗 | ¥7,989,833 | ¥516,517 | ¥8,506,350 |
6~19店舗 | ¥6,347,968 | ¥852,900 | ¥7,200,868 |
20店舗以上 | ¥5,444,494 | ¥1,200,067 | ¥6,644,561 |
[店舗規模別 勤務薬剤師の年収]
薬剤師 | 給料額(A) | 賞与額(B) | 年収金額(A)+(B) |
---|---|---|---|
全体平均 | ¥4,401,174 | ¥614,577 | ¥5,015,751 |
1店舗 | ¥4,412,737 | ¥417,919 | ¥4,830,656 |
2~5店舗 | ¥4,832,376 | ¥491,901 | ¥5,324,277 |
6~19店舗 | ¥4,323,626 | ¥518,031 | ¥4,841,657 |
20店舗以上 | ¥4,022,390 | ¥791,049 | ¥4,813,439 |
参照: 平成29年実施 第21回医療経済実態調査医療機関等調査(中央社会保険医療協議会)
さて、それではデータを具体的に見ていきましょう。
まず全体平均年収は、管理薬剤師で年収767万円、薬剤師で502万円となっており、その差は実に265万円に上ります。
しかし一方で店舗数の少ない調剤薬局の場合、経営者=管理薬剤師というケースが多いという側面もあります。
実際、1店舗の管理薬剤師の年収は、他を圧倒する1008万円。
経営者と管理薬剤師を兼務している場合は通常の管理薬剤師よりも当然年収は高めに出てくるため、このような破格の結果になっていることが推測されます。
また個人薬局の場合その多くが、家族経営での薬局運営です。
家族経営の場合、勤務薬剤師は経営者の妻や子供の場合が多く、勤務薬剤師の年収を抑えてバランスを取るのが一般的です。
1店舗規模の薬局の勤務薬剤師の年収が他と比べてかなり低い理由としてはこういった背景があると推測されます。
店舗が増えるに従って低くなる管理薬剤師の年収額と、逆に店舗数が多いほうが高くなる勤務薬剤師の年収額には、このような事情があるというわけです。
[薬キャリ 転職コンサルタント情報]
コロナ禍における調剤薬局の薬剤師求人動向
新型コロナウイルスの感染拡大は、調剤薬局業界に大きな向かい風となっています。
患者の受診控えが進んだことで、処方箋受付枚数が減少しているからです。処方箋受付枚数が減ると薬剤師の需要も減るため、業界全体の求人数は大きく減少しました。
また、転職時に提示される年収もコロナ前に比べて30~50万円程度低くなるケースが増加傾向にあります。
一方で、高年収を目指す薬剤師にとっては良いニュースもあります。求人数が減少した代わりに、「優れた人材は高年収でも採用したい」という企業が増えているからです。
具体的には、「かかりつけ薬剤師としての経験」「個人宅を含む在宅医療経験」「新店立ち上げ経験」「管理薬剤師経験」などについて十分な実績がある人は、コロナ前よりも高年収で転職するケースも増えています。
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参考までに、大手企業各社の薬剤師の年収額を比較してみましょう。
[調剤薬局大手4社の薬剤師年収・平均年齢]
年収 | 平均年齢 | |
---|---|---|
株式会社アインホールディングス | 616万円 | 39.0歳 |
日本調剤株式会社 | 557万円 | 34.4歳 |
クオール株式会社 | 472万円 | 34.7歳 |
日本メディカル株式会社 | 450万円 | 36.0歳 |
参照:各社企業情報から抜粋
■病院・診療所で働く薬剤師の年収実態
次に病院および診療所で働く薬剤師の平均年収金額です。
まずは病院全体と診療所全体を比較したデータを見てみましょう。
[病院および診療所の薬剤師年収]
給料額(A) | 賞与額(B) | 年収金額(A)+(B) | |
---|---|---|---|
病院 | ¥4,513,703 | ¥1,143,718 | ¥5,657,421 |
診療所 | ¥8,028,152 | ¥869,659 | ¥8,897,811 |
参照: 平成29年実施 第21回医療経済実態調査医療機関等調査(中央社会保険医療協議会)
まず、診療所の年収は病院年収を300万円以上上回ることがわかります。
賞与では病院114万に対して診療所87万と、病院の方が多いものの、ベースとなる年収金額が病院451万に対して診療所802万と圧倒的に診療所のベース年収が高い為、合計すると病院566万、一方の診療所888万と圧倒的に診療所の方が高い結果となるわけです。
もともと、調剤薬局、ドラッグストアと比較して病院の年収は低めですが、医療の現場で直接患者様と接しながらも、高年収も望みたいという方はクリニック勤務がお勧めです。
- 病院と診療所では診療所が圧倒的に高年収!
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さらに診療所の中でも入院診療のあり、なしでこんなにも年収の違いがあることが分かります。
[診療所の薬剤師年収(入院あり/なし)]
診療所 | 給料額(A) | 賞与額(B) | 年収金額(A)+(B) |
---|---|---|---|
入院診療収益あり | ¥9,520,154 | ¥333,000 | ¥10,444,404 |
入院診療収益なし | ¥7,511,068 | ¥850,740 | ¥8,361,808 |
参照: 平成29年実施 第21回医療経済実態調査医療機関等調査(中央社会保険医療協議会)
「入院診療収益あり」の年収が1000万円超えなのに対し「なし」は年収836万円と、実に200万円以上もの格差があります。
入院診療収益がない場合であっても、病院と比較すると高年収ではあるものの、入院診療のある診療所の年収の高さには驚きですね。
夜診当直等の可能性もありますが、高年収を狙うならピンポイントで狙うのもアリかも知れません。
[薬キャリ 転職コンサルタント情報]
コロナ禍における病院・診療所の薬剤師求人動向
病院は毎年新卒薬剤師を採用・育成し、退職者がでた場合に中途採用で補填、というところが多いのでコロナ前から求人数は調剤薬局やドラッグストアに比べ少ないです。
もちろん、外来患者や入院患者の減少による経営悪化や薬剤師の需要減少はありますが、他業種に比べると求人数の減少や年収の低下は軽微だったと言えます。
診療所求人についても入院診療ありなど薬剤師を採用する職場が限られていつため、求人の年収もコロナ前と同等の水準で変化していません。
事項ではドラッグストア勤務の薬剤師の年収事情を探っていきましょう。
- 入院診療収益ありの診療所の平均年収は1000万オーバー!
- 高年収を狙うなら<入院診療ありのクリニック勤務>!
■ドラッグストアで働く薬剤師の年収実態
まずは大手ドラッグストアの平均年収額から見てみましょう。
[ドラッグストア大手5社の薬剤師年収・平均年齢]
年収 | 平均年齢 | |
---|---|---|
ウエルシア薬局株式会社 | 831万円 | 56.0歳 |
株式会社ツルハホールディングス | 636万円 | 44.1歳 |
株式会社マツモトキヨシ | 734万円 | 45.3歳 |
株式会社カワチ薬品 | 529万円 | 33.8歳 |
株式会社スギ薬局 | 693万円 | 38.8歳 |
参照:各社企業情報から抜粋
調剤薬局業界と比較すると、企業ごとの差が大きいことがわかります。
こちらで取り上げた5社の中では、ウエルシア薬局が群を抜いて高く年収831万円、カワチ薬品の年収529万円と比べると300万円以上の差がありました。
一方で、平均年齢で比較すると、年収の高いウエルシア薬局は平均年齢56歳、カワチ薬品は33.8歳と、20歳以上の差が。
年齢と年収の相関関係が見て取れる結果です。
一方、転職サイトに公に公開されている年収データを比較したものが下図になります。
転職サイトに掲載される給与額は基本的に「入社時」のものかつ、役職が付いているものは少ない為、上記の平均額より低くなります。
※役職がついたり、通常よりも年収が高い求人は一般的には「非公開求人」として扱われ、公に公開されることはありません
[ドラッグストア大手5社の薬剤師求人提示年収]
ドラッグストア | 年収 |
---|---|
ウエルシア薬局株式会社 | 517万円~650万円 |
株式会社ツルハホールディングス | 430万円~700万円 |
株式会社マツモトキヨシ | 460万円~700万円 |
株式会社カワチ薬品 | 470万円~529万円 |
株式会社スギ薬局 | 450万円~600万円 |
参照:各社求人情報から抜粋
[薬キャリ 転職コンサルタント情報]
コロナ禍におけるドラッグストアの薬剤師求人動向
新型コロナウイルス感染拡大を追い風とした業界のひとつがドラッグストア業界です。
マスクなどの衛生用品の特需や、外出自粛による「巣ごもり需要」を受けて、多くの企業が業績を伸ばしました。業績が好調とはいえ新規出店には慎重な姿勢を見せる企業が多く、求人数についてはおおよそ横ばいといった印象です。
ドラッグストア業界のなかでも最も業績を伸ばしたのは、「メガドラッグストア」と呼ばれる食品や日用品、衛生用品を豊富に揃えて展開していた企業です。一方で、外国人観光客のインバウンド需要を軸としていた企業は、観光客の激減で大きな打撃を受けました。
業績が伸びている企業のほうが拡大戦略を取りやすく、管理職など高年収のポストが増える傾向があるため、直近で高年収を狙うのであればメガドラッグストア型の店舗展開をしている企業のほうがチャンスは多いと言えるでしょう。
- 大手ドラッグストアの平均年収は最低でも530万円
- 確実な高年収を狙うなら大手の役職ポジション
■製薬会社で働く薬剤師の年収実態
ここまで調剤薬局、病院・診療所、ドラッグストアについて見てきましたが、最後に製薬会社の年収額について確認していきましょう。
[製薬会社大手5社の薬剤師年収・平均年齢]
年収 | 平均年齢 | |
---|---|---|
武田薬品工業 | 1,015万円 | 40.4歳 |
アステラス製薬 | 1,073万円 | 42.6歳 |
大塚ホールディングス | 1,078万円 | 44.5歳 |
第一三共 | 1,133万円 | 43.4歳 |
エーザイ | 1,038万円 | 44.3歳 |
参照:各社企業情報から抜粋
製薬会社は薬剤師資格がなくても勤務できる職種が多くあります。
上の年収データについても薬剤師単体の年収額ではありませんが、調剤薬局、病院・診療所、ドラッグストア業界と比較しても図抜けて高年収であることがわかります。
大手各社の平均年収は1000万円を越えており、また、平均年齢も40代前半と若いです。
職種や学歴によって差はあるにしろ、年収額という観点で見れば非常に魅力的な業界だといえます。
[薬キャリ 転職コンサルタント情報]
コロナ禍における製薬企業の薬剤師求人動向
これまで製薬会社のMRは、病院・診療所へ直接訪問するスタイルが一般的でした。
しかし、コロナ禍で直接訪問が難しくなったため、オンライン面談への切り替えが一気に進みました。移動時間がなくなりMR一人当たりの営業件数が大きく伸びたことで、MRの需要は減少。外資・内資問わず人員整理を始めており、2020年8月の武田薬品の大規模リストラは大きな話題になりました。この状況を受け製薬会社のMRの求人数も大きく減っています。
このように職種内での競争は激しさを増していますが、競争に勝ち残れば高年収を得られることは変わりません。薬剤師資格をもったMRであるアドバンテージを生かして疾患や作用機序に精通し、医師との信頼関係を構築できれば、高年収を狙える可能性はあるでしょう。
- 製薬会社大手5社は軒並み1000万円超!
- 企画力、マネジマント力を磨けば大幅年収アップも可能
■確実に年収アップさせる方法<現職でできること>
さて、ここまでは各業界の具体的な年収額について紹介してきました。
同じ薬剤師でも、働く業界や企業によって大きな差があることがわかったかと思います。
ここからは、いよいよ今回のテーマである年収アップの方法について解説をしていきます。
年収をあげる方法として、転職をせず現職でできる方法と、転職で実現する方法の大きく2つに分けられます。
まずは、現職でできることとしては、
●評価されるような実績を作って給与交渉する
●残業を増やす
●休日出勤をする
●ダブルワークをする
などの方法が、一方、転職で実現できることとしては、
●管理職ポジションにつく
●ラウンド勤務薬剤師になる
●全国転勤ありの職場で働く
●離島や僻地への転勤
などの方法があります。
それではここからはそれぞれの「年収アップ方法」について詳しく見ていくことにしましょう。
- [給与交渉]で年収アップさせる
最も正攻法と言えるのは、自分で年収UPの交渉をすることです。
なんだ、そんなことかと思われた方、ここからがポイントです。
交渉の際には必ず武器をもっていきましょう。
武器とは『交渉材料』のことです。間違っても裸で戦場に向かってはいけません。
例えば、
●売上に貢献したことが数字として表されたもの
●職場環境や業務改善に貢献したことがわかるもの
●研修認定薬剤師や専門薬剤師などの資格取得
など、「この人なら年収UPするのが当然だ」と思わせるような材料を用意するようにしましょう。データで表せる物があればなお良いでしょう。
逆に言えば、自分の頑張りが大きな成果に繋がったとアピールし易いタイミングこそが、交渉に最も適したタイミングなんです。
いずれにせよ、交渉の場で年収UPの「具体的な根拠」を提示できるかどうかがキーと言えそうです。
- [残業]を増やして年収アップさせる
交渉する材料がない、職場での実績が不十分、という方は、残業代で年収UPを図る方法。
こちらは勤務した分が確実に給与になるため、非常に確実な方法と言えます。
薬剤師業界に限らず、一般的に長時間の残業は忌避される傾向にありますから、われこそはと手を上げ積極的に残業するようにすれば、年収額がUPするだけでなく「職場に貢献している」と評価が高まることもあり得ます。
もちろん、あなたが残業したいと言っても、あまり忙しくない現場では希望が通らないケースもあるでしょう。もし今の職場での残業が難しそうであれば、思い切って残業できる別の職場に転職するのも手です。
- [休日出勤]をして年収アップさせる
土曜日曜祝日など、他の薬剤師さんが出勤を嫌がる曜日に積極的に出勤することで、上司の印象をUPさせ、それを年収UPの交渉材料にしていく方法です。
シフトの薄くなりがちな時間帯に嫌な顔ひとつせず出勤してくれる薬剤師は、経営側からすると非常に貴重な存在です。
逆に言えば、その人に辞められてしまうとシフトが回らなくなる危険性があるため、要望や交渉を無下にするわけにはいかなくなる、ということです。
曜日だけでなく時間についても同様の事がいえます。他の薬剤師が働きたがらない時間にすすんで出勤することで、その職場のあなたに対する依存度は自然と高まっていくことでしょう。
- [ダブルワーク]で年収アップさせる
これまでの方法が大なり小なり第三者との関わりが必要だったのに対し、ダブルワークは薬剤師個人で様々な調節ができるのが利点です。
「月曜から金曜までフルタイムで勤務し、土日は派遣薬剤師として活躍する」
「残業なしで退勤し、その後の夜の時間は時給の高い飲食・接客業でパート勤務」
など、自分のライフスタイルに応じて働き方を決めていくことができます。
長く正社員で勤務していた薬剤師が、「年収を時給換算したら派遣の方が得だった」「残業も夜勤もゼロで、かつ給与もそう変わらないなら派遣の方がいい」と、派遣薬剤師にキャリアチェンジしたという話もあります。
ただし、薬剤師のダブルワークを嫌う職場も多いですし、もし内緒でしていてバレてしまった場合に、何かしらの賠償請求をされる可能性もゼロではありません。
正社員でダブルワークをする場合は、現在の職場の就業規則がどうなっているかをきちんと確認するようにしましょう。
■確実に年収アップさせる方法<転職して叶える>
ここまでは、現在勤務している職場で対応可能な方法を紹介してきました。
ここからは転職によって年収UPを実現する方法を考えていきます。
うまくいけば、現在の職場で数年間かかっても実現できないような額のUPが、一度の転職で実現できる可能性もあります。
- [管理職ポジション]について年収アップさせる
現在の職場で相応の実績があれば、転職を機に管理職ポジションを狙うこともできます。管理薬剤師、薬局長、エリア統括マネージャー候補など、薬剤師をまとめるポジションで勤務することで、数十万円から数百万円もの年収UPが実現できるでしょう。
求人の緊急度が高い場合、前職での実績がそこまで高くなくても採用されるケースがあり、非常に狙い目です。
紹介会社のコンサルタントなどと密に連絡を取り、よさそうな案件が出てきたらすぐに動けるようにしておくとよいでしょう。
- [ラウンド勤務薬剤師]になって年収アップさせる
いろいろな職場で勤務するラウンド薬剤師は、一般の薬剤師に比べ年収が高い傾向にあります。
すぐに職場が変わるため現場の人間と関係が作りづらい、異動が多く体力的に辛くなりがち、などのデメリットはありますが、むしろそれをメリットに感じる方も多い様子。ドライな人間関係を求める方、同じ職場ばかりでは飽きてしまうという方は、ラウンド薬剤師が合っているかもしれません。
様々な職場のやり方を間近で体験することで、薬剤師としての視野が広くなるという利点もあります。
- [全国転勤ありの職場]で働いて年収アップさせる
ラウンド薬剤師同様、転勤もまたデメリットと感じる方が多いものです。
全国に支店を持つ大手調剤薬局などでは、「全国転勤OK」という条件で入社することで年収が数十万円高くなる、ということもあるようです。
特に最近ではワーク・ライフ・バランスやプライベート重視といった観点で仕事が語られることも増え、転勤をいとわないスタッフは非常に重宝される傾向にあります。
この方法を取る場合、当然狙うのは大手企業です。
- [離島や僻地への転勤]で年収アップさせる
全国転勤以上にハードルは高いですが、離島や僻地への転勤ができる方は、それだけで年収UPの可能性が出てきます。
離島の一人薬剤師、といった、応募自体がなかなか見込めない案件を敢えて狙うことで、大幅な年収UPが可能になります。
かなりのレア求人になりますので、転職したいと思った時にすぐに出会える可能性は極めて低いです。
ですので、予め紹介会社に登録し、コンサルタントにそういった条件の求人が出た場合は連絡を貰えるように準備をしておくことが重要です。
- [独立開業]で年収アップさせる
最後に、転職ではないですが「独立開業」するという方法。
薬剤師としての知識だけでなく経営に関するノウハウも必要ですが、独立して自分の薬局を持てば、基本的に年収は大幅にUPします。もちろん経営的に失敗すれば、数年間で閉局、というようなこともあり得ます。
ハイリスク・ハイリターンの方法ではありますが、大幅な年収UPを狙うのであれば一度検討してみてもよいかもしれません。独立支援制度のある企業に転職すれば、開業までスムーズにこぎつけられるというパターンもあります。
■売り手市場から買い手市場へ 薬剤師の高年収は維持できるのか?
長らく続いた薬剤師不足による売り手市場の影響と国策により、これまで薬剤師の年収水準は非常に高いものでした。
しかしついに薬剤師数も30万人を突破した今、今度は薬剤師過多による買い手市場へと徐々に変化しつつあります。当然ながらこれまでのような高年収の維持は難しい状況です。
特に人口の多い都市部ではその傾向が顕著で、年収格差が生まれやすい状態となりつつあります。
かかりつけ薬局・薬剤師制度の導入、地域医療の充実や在宅医療の取り組みが重視される中、より専門的な分野での活躍が期待できる薬剤師や、コミュニケーションスキルに長けた薬剤師でなければ生き残るのが難しい時代になったということは明らかです。
■紹介会社を使うと年収20万円UP!賢く年収を上げる方法のまとめ
さて、ここまで様々な年収UPの方法を見てきました。
最後にもう一度年収アップの方法をまとめてみましょう。
- [現職でできること]
- 実績を作って給与交渉を行う
- 残業や休日出勤で地道な収入増を狙う
- ダブルワークを行う(兼業可能な場合)
- [転職で実現できること]
- 一般公開されていない管理職ポジションを狙う
- 入院診療ありのクリニックで働く
- 全国転勤ありの薬剤師になる
- 複数店舗掛け持ちのラウンド勤務薬剤師になる
- 離島や僻地で働く薬剤師になる
- 勇気を出して独立開業する
もしもあなたがスピーディに年収UPを実現したい場合は「紹介会社を使った転職」で年収アップする方法を選ぶことをお勧めします。
所属している組織が大きくなってくると、「上が詰まっているから出世が難い」、「評価制度がないから実績を認めてもらえない」など解決し難い問題も出てきます。
現職でそれらの問題を解決した上で年収アップを狙おうと思うと、それなりの準備と時間がかかることでしょう。
また権力争いやその他の人間関係等様々な弊害に立ち向かう必要もあるかもしれません...。
だからこそ、多くの薬剤師が転職をきっかけに年収アップをしてきているんです。
そして、下のデータをご覧下さい。
薬剤師の平均年収と紹介会社を経由して転職した薬剤師の平均年収を比較したものです。
ご覧の通り、紹介経由の方が20万円以上年収が高いことがわかります。
全体 | 20代 | 30代 | 40代 | 50代 | |
---|---|---|---|---|---|
薬剤師の平均年収 | 493万円 | 385万円 | 495万円 | 531万円 | 621万円 |
人材紹介会社経由平均年収 | 522万円 | 468万円 | 523万円 | 563万円 | 565万円 |
>参考データ:厚生労働省 平成24年度賃金構造基本統計調査
人材紹介会社経由平均年収は転職HAKASE独自調査による集計
なぜ紹介会社を通じた転職のほうが高い年収を実現できるのか。
それは、紹介会社が膨大な求人データを持っているからです。
また、年収の交渉についても、プロの交渉スキルを持つ紹介会社のコンサルタントが行うので、成果が出やすいのです。
短期間で大幅な年収UPを目指すなら、人材紹介会社を通じて転職するのが一番の近道です!
▼東京都で働く薬剤師さんのリアルな業種別年収
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▼大阪府で働く薬剤師さんのリアルな業種別年収
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▼福岡県で働く薬剤師さんのリアルな業種別年収
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