
日本調剤のイメージというと、「高年収」、「先進的」、「医薬分業」、「ジェネリック」、「女性の活躍」などのイメージが強い一方で、
「残業が多い」、「有給が取れない」、「パワハラ問題」等など、ブラックなものも多く聞かれます。
今回は日本調剤について正しく知るために様々な角度から調査を行いました。
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1. 日本調剤ってどんな会社?
日本調剤は東証一部上場の調剤薬局業界を代表する大手全国チェーンのひとつです。
小規模薬局のひしめく調剤薬局業界においては数少ない、一代で築き上げられた超大手チェーン薬局であり、
現在ではアインホールディングスに続いて調剤薬局業界第2位の売上を誇ります。
[日本調剤の調剤薬局事業の売上高と営業利益]
決算年月 | 売上高(百万円) | 営業利益(百万円) |
---|---|---|
令和2年3月 | ¥231,001 | ¥9,785 |
平成31年3月 | ¥208,622 | ¥8,707 |
平成30年3月 | ¥205,192 | ¥12,411 |
平成29年3月 | ¥189,327 | ¥9,560 |
平成28年3月 | ¥190,874 | ¥10,707 |
平成27年3月 | ¥157,999 | ¥7,698 |
平成26年3月 | ¥145,957 | ¥7,672 |
参照:日本調剤株式会社 有価証券報告書より
1980年、北海道札幌市で1号店が創業。38年の歴史を持ち、今では全都道府県に665店舗以上の薬局を構えています。(※2020年11月時点)
企業理念としては「医薬分業」を掲げ業界をリードし続ける存在でありながら、ジェネリックの使用促進にも力を入れており、
ジェネリック医薬品の製造販売を自社で手掛ける等、時代に合わせた戦略で他社を牽引する企業です。
また、全店舗をあげて在宅医療への取り組みも強化した結果、全営業店舗の95%超で在宅医療の実施を実現させました。
2. 日本調剤の企業情報
■設立 : 1980年3月
■本社所在地 : 東京
■URL : https://www.nicho.co.jp/
■売上高 : 189,327(百万円)
■店舗数 : 602店舗(2019年3月現在)
■従業員数 : 4,075名(連結 2019年3月現在)
3. 日本調剤グループの事業内容
日本調剤グループでは「調剤薬局事業」「医薬品製造販売事業」「医療従事者派遣・紹介事業」を主たる事業としています。
[調剤薬局事業]
コア事業の調剤薬局事業では「医薬分業」を理念に掲げ全都道府県への出店を果たしました。
大型総合病院前の門前型調剤薬局を中心としながら、地域の特色に合わせた面対応薬局や、複数の医療機関が集まる医療モールでメディカルセンター型薬局の開発など
様々な形態の薬局を全都道府県に展開していることが特徴です。
また、かかりつけ薬局として重要な機能の一つとなる在宅医療では実に全店舗の95%以上で在宅医療の実施を実現させ、引き続きハード面ソフト面での体制強化を進めています。
[医薬品製造販売事業]
日本調剤では医療費抑制の国策を受け、ジェネリック医薬品の重要性と市場拡大をいち早く予見し、自社でジェネリック医薬品の製造販売事業に取り組んできました。
2005年には「日本ジェネリック株式会社」を設立し、医薬品製造販売企業として医薬品卸企業を通じて全国の医療機関へのジェネリック医薬品の販売網を構築。
生産パートとしては茨城県つくば市をはじめとする自社工場を中心に生産・供給体制を整備し、医療費削減を目的としたジェネリック医薬品市場拡大に備えて磐石の構えです。
[医療従事者派遣・紹介事業]
全国に展開する「株式会社メディカルリソース」では調剤薬局事業で培われたノウハウをもとに、薬剤師、医師、看護師などの医療従事者の紹介・派遣事業を広く展開。
日本調剤グループの店舗への質の高い人材の供給はもちろん、他社への紹介・派遣も行っています。
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[病院支援事業]
日本調剤では、産休・育休などによる病院薬剤師の人員不足の課題を解決することを目的に、病院への薬剤師派遣事業を行っています。
通常の登録型の派遣とは異なり、日本調剤の正社員(無期雇用)でありながら病院へ派遣されて就業する「常用型派遣」という形態をとっています。
その他の事業
保険販売代理店事業
医薬品情報提供ウェブサービス事業
情報提供・コンサルティング事業
Eコマース事業
情報提供・コンサルティング事業
4. 日本調剤の<教育制度>について
社内教育・研修制度に特に力を入れている日本調剤。
スキルアップを薬剤師個々人や、上司先輩に任せるのではなく体系化された教育プログラムが整備されています。独自のカリキュラムに加えて、学習を行うためのシステム構築にも力が注がれています。
[15ステップアップ研修]
e-Learningにより薬学や店舗管理に必要な実践的知識を学ぶことができます。テストをクリアしながらステップアップしていくという仕組みです。
講座内容は病気と薬剤に関する薬学の分野、在宅医療や予防医療などの知識、薬剤師としての倫理、医薬分業について、関連法規など。
また、店舗管理に必要な財務諸表の読み方、人事制度、調剤報酬などです。
[キャリア別研修]
日本調剤では、経験年数に合わせた研修やキャリア形成のための研修も充実しています。
「サブリーダー研修」...管理薬剤師になる準備の研修。店舗管理に必要な知識を習得する
「新任管理薬剤師研修」...管理薬剤師就任時の実地研修。帳簿や法的掲示物等を確認する
「中堅社員研修」...5年目以上の中堅社員に向けた、マネジメントを学ぶ研修
「経営セミナー」...経営に関わる企画力を養う。セミナーでの提案が実際に事業として実現することもある
[スキルアップ研修]
薬剤師として必要な各分野のスキルを極める研修です。代表的なものとして、以下2つの研修が用意されています。
「在宅医療研修」...在宅中心静脈栄養法や経腸経管栄養、緩和ケアなど、在宅医療で必要になる知識や医療機器の手技を学ぶ
「エクセレントサービス研修」...患者視点に立った考え方や医療人としてのコミュニケーションスキルを身に着ける
ほかにも、メーカーによる医薬品の勉強会や、店舗での症例解析・服薬指導勉強会を定期開催しています。意欲がある薬剤師は、年に1回開催される「社内学術大会」で登壇することもできます。
[認定・専門資格取得サポート]
総合病院門前の出店数が強みのひとつである日本調剤では、がん治療に関する知識を学ぶ場としても最適です。
「外来がん治療認定薬剤師」「緩和薬物療法認定薬剤師」の認定取得を目指す社内強化チームが設けられており、さまざまなサポート体制が充実しています。
2014年からは病院実務研修も行っており、病院で注射の手技や抗がん剤のレジメン、病棟業務等を数カ月にわたり学ぶこともできます。
また、かかりつけ薬剤師として働くうえで必須の「研修認定薬剤師」取得についても手厚いサポートがあります。
取得にかかる費用はすべて会社負担のほか、独自のe-Learningで学習して単位を取得していくことができます。
[学習コンテンツ]
日本調剤は独自の学習コンテンツが豊富です。
たとえば、疾患や薬剤について5~10分視聴するだけで効率的に学べる「ビデオライブラリ」。
「処方解析講座」「臨床検査値」など単元ごとに学べる「スキルアップ講座」。これらは店舗のパソコンからいつでもアクセスすることができます。
また、教育情報部に質問できる「質疑応答システム」もあり、資料文献等と併せて業務中に生まれた疑問をすぐに解決できます。
[その他]
教育担当の先輩が1対1で指導教育を行う「オーベン・ネーベン制」。
全国の大学病院での実務研修を導入し、調剤室業務、注射剤室業務、混注業務、製材室業務
、DI業務、病棟業務、など通常の薬局業務では経験できない病院の業務を体験することができます。
5. 日本調剤の<キャリアステップ>
薬局薬剤師だけでなく幅広いキャリアパスが用意されていることも魅力の一つです。
例えば薬局の勤務薬剤師から始め管理薬剤師、エリアマネージャーを経て本社の人事部で採用担当に就いたり、グループ会社へ転籍することも可能です。
現場で活躍することを望む薬剤師は、複数の店舗を経験しながら知識の幅を広げながら、認定薬剤師サポート制度を利用し資格を取得したり、社内表彰制度で薬剤師としてのスキル向上に努めています。
また、日本調剤には平均1~2年の病院勤務ができる「社外ジョブチャレンジ制度」があるのも特徴のひとつ。
給与や福利厚生は日本調剤社員のまま、長期にわたって病院での経験を積める道も用意されています。
6. 日本調剤の<年収・給与>
日本調剤で働く薬剤師の年収についてみてみましょう。
月給:月給250,000円~500,000円(各種手当て含む)
想定年収:年収400万円~800万円
※年収計算は12ヶ月+賞与4ヶ月分で算出
・賞与:年2回(7月、12月)
・昇給:年1回(4月)
・手当:薬剤師手当、地域手当、住宅手当、家族手当、時間外手当、管理薬剤師手当、管理職手当ほか
※参考 日本調剤採用ページより
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7. 日本調剤の<ワーク・ライフ・バランス>(女性の働きやすさ)
まずは日本調剤の福利厚生をみてみましょう。
[日本調剤の福利厚生]
- 従業員持株会
- 退職金制度(確定拠出年金)
- 財形貯蓄
- 社内預金
- 団体定期生命保険
- 定期健康診断
- 薬品使用料支給制度
- OTC社員割引制度
- 慶弔見舞金
- インフルエンザ予防接種補助
- 長期収入ガード(GLTD)
- ゴールドカード入会優待
- 保養施設
- JTB ベネフィット福利厚生サービス「えらべる倶楽部」
- 会員制リゾート施設
- 白衣(通常・マタニティ用)貸与
- 接遇(CS)表彰制度
- 産前産後・育児休業中のフォロー資料提供
- 育児短時間勤務制度
- 月極育児補助金
- 認可外保育園優先入園枠確保 ※参照:日本調剤採用ページより
日本調剤は従業員の約7割以上が女性という、女性が多く活躍する企業です。
これは事業の中核である調剤薬局事業では薬剤師の占める割合も大きいことが要因です。
結婚・出産・育児などのライフイベントを経ながら働き続けることのできる、環境が整備されているということでしょう。
「産休・育休制度」は当然のこと、「育児短時間勤務制度」や子供の看護が必要になった際に取得できる「看護休暇」も用意されています。
また「出産祝金制度」や福利厚生サービスとして、保育施設やベビーシッターなどの育児サービスが割安で利用することができます。
今やこういった制度が整っていることは一般的になりつつあるものの、実際に利用する際には会社の前例や会社の風潮などが大きく影響してきます。
「制度はあるけど誰も使っていないので使いにくい...」という話もよく聞かれるものです。
日本調剤においては出産・育児を経て復職する女性薬剤師を応援する風潮が根付いているといえるでしょう。
8. 日本調剤の<クチコミ情報>
では第3者の評価はどうなのでしょうか。
日本調剤に関するクチコミを見てみましょう。
"ママになっても安心して働ける!女性に優しい環境が魅力"
― 新卒で入社し、2つの店舗で勤務薬剤師を経験し、現在もパート社員の勤務薬剤師として勤務しています。
どの店舗も女性薬剤師が多く、出産後は時短勤務をしたりパート社員で就業するパターンが多いような気がします。実は私もその一人です。
ママ薬剤師になっても非常に働きやすい環境で、子供の体調不良で保育園から連絡がきた時も、嫌な顔せず送り出してくれたり、
他店舗から応援もきてくれるので安心して働く事ができます。
(40代 パート社員 勤務薬剤師)
"人手不足で残業多め...有給取得も取りにくいと思います"
― 新卒で入社しました。幾つか店舗を転々としましたが、どの店舗であっても残業は少なくとも月20時間程度はあるでしょう。
忙しい店舗だと60時間のところもあるようですね。
日本調剤だけではないと思いますが、人員不足の店舗も多い為正直有給は取りにくいですね。
同僚は去年の有給取得2日と言っていました...
(30代 正社員 勤務薬剤師)
"最新設備で調剤できる!年収も前職プラス100万!"
― 薬歴の音声入力機や分包機、軟膏練り機等、流石大手と言える最新の設備体制です。
私は個人薬局からの転職組なのでこのあたりのお金のかけ方には感動しました。
また、年収は比較的高いと思います。昇給率も良いのですが、転職時点では年収にして100万円近く増えました。
(30代 正社員 勤務薬剤師)
"ブラックではないですが、時短勤務でも残業ありますね..."
― 私を含め産休育休取得後に復職したママ薬剤師も多いですが、少人数の店舗の場合は時短勤務いい顔はされませんし、繁忙期は残業もせざるを得ない日もあります。
残業代はでるのでブラックとかではないですが。
ただ、ママになってもバリバリ働く薬剤師がいるような店舗だと肩身の狭さを感じるかもしれないです。
(40代 正社員 勤務薬剤師)
"仕事比重が重めに求められる企業です"
― ワーク・ライフ・バランスの点でいうと仕事比重が重めに求められると思います。
有給も取りにくい店舗が多いです。
残業については店舗によりますが、以前、病院の門前の店舗にいた時は少なかったです。定時の日も多かったですし。
逆に店舗によってはパート薬剤師であってもかなり遅くまで残って入力業務を行う店舗もあります。
年収はそこそこなのでそんなものと割り切っていますけどね。
(30代 正社員 勤務薬剤師)
※クチコミは転職HAKASE独自調査によるもの
9. 日本調剤についてまとめ
いかがでしたでしょうか。
日本調剤について様々な角度から調査を行った結果を簡単にまとめます。
[日本調剤についてのまとめ]
●経営理念がしっかりとしていて将来性もある
●教育体制がしっかりと整えられている為、新卒・調剤未経験でも安心
●認定・専門資格の取得支援が手厚い
●キャリアステップが豊富に用意されている為、働き方を変えながら長く働ける環境
●ワーク・ライフ・バランスのとりやすい会社!
女性が働きやすい環境。産休・育休取得後復職する薬剤師が多く、時短勤務も可能
●年収は全国の薬剤師の平均年収を大きく上回る557万円
●比較的忙しい店舗が多く、正社員だと残業が多い。有給取得が難しい店舗も
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"1年で一人前の薬剤師に!充実の教育研修体制"
― 教育体制・研修制度が充実しているので、新卒や調剤薬局未経験の方が入社するには最適な会社だと思います。
私自身も製薬会社からの転職で日本調剤へ入社しました。
学生時代の実習を最後に調剤からは遠くはなれていましたが、充実した研修制度により現場に出て約1年でキャッチアップできたと思っています。
日本を代表する大手調剤薬局として、サービスレベルの底上げに真摯に取り組む会社だと誇りを持っています
(30代女性 正社員 勤務薬剤師)