
◯スポーツファーマシストってなに?
スポーツファーマシストとは...
認定薬剤師の一つで2009年に日本アンチ・ドーピング機構(JADA)、日本薬剤師会連携のもと開始しました。
2018年4月現在でその数は8,711名。資格者取得者は年々増加しています。
認定資格を取得すると「公認スポーツファーマシスト」となり、
●スポーツ選手やスポーツ愛好家への情報提供や啓発活動
●学校教育の現場におけるアンチ・ドーピング情報を介した医薬品の使用に関する情報提供・啓発活動
等を行っていきます。
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◯スポーツファーマシストの役割
主な業務としては「アンチ・ドーピング活動」になります。
「アンチ・ドーピング活動」とはスポーツにおけるフェアプレイの精神を軸に、スポーツの価値を守り発展させるための活動です。
アンチ・ドーピングについては1960年代からIOC(国際オリンピック委員会)主導のもと活動が行われてきました。
近年では一般市民やジュニア選手が参加する大会であってもドーピング検査が行われるようになり、スポーツ界だけでなく社会全体が取り組む問題へ発展しています。
アンチ・ドーピング規則に違反した場合のペナルティとして、大会へ出場できないだけでなく、所属するチームの施設利用や練習への参加のみならずスポーツに関わる全ての活動が禁止になるため、アスリートとしては命取りになります。
これらの背景の中でスポーツファーマシストとして最大の役割はアスリートを守ることです。
プロのスポーツチームと契約し、メディカルドクターとともに選手への処方薬を検討したり、普段の生活の中で摂取する薬やサプリメントに関する相談にのったりします。
また学校教育へも講師として参加し若い世代のアンチ・ドーピング意識を高める役割も担っています。
◯スポーツファーマシストの資格はどうやってとるの?
スポーツファーマシストになるためには、益財団法人 日本アンチ・ドーピング機構(JADA)が年に1回実施している、基礎講習と実務講習を受講後、知識到達度確認試験に合格する必要があります。
認定資格は4年間有効ですが、資格を維持するためには毎年実務実習(e-ラーニング)を受講する必要があります。
資格の難易度としては比較的簡単な部類に入るようです。
[資格取得までのスケジュール]

◯スポーツファーマシスト にはどんな人が向いている?
スポーツファーマシストは薬剤師資格を持っていることが前提になります。
もちろんスポーツが好きなこと、スポーツに積極的に関わっていきたい方に向いている認定資格と言えます。
スポーツクリニックの門前薬局等に勤めている薬剤師であればスポーツファーマシストの資格を持っていると生活面でのアドバイス等でも役立つことがあると思います。
また処方薬だけでなく一般薬であってもアンチ・ドーピング規程に違反する成分が含まれていたり、食物などから無意識のうちに摂取をしている「うっかりドーピング」もあるため、新薬やサプリメント等に関する最新情報を積極的に学んでいく姿勢が求められます。
◯スポーツファーマシストのやりがい・大変さは?
もっともやりがいを感じられるのはアスリートから必要とされ、感謝してもらった時です。
アスリート個人のみならず所属するチーム、ひいてはスポーツの発展へも貢献していることを感じることができるでしょう。
しかし一方で、責任も重く求められる知識も非常に幅広いため、常に勉強し新しい情報を収集し続けていく必要があります。
◯スポーツファーマシストの職場
ここではスポーツファーマシストの職場についてみていきます。
●病院や調剤薬局・ドラッグストア
医師から処方された薬にドーピング検査の違反対象になる禁止薬物はないか、また違反対象になる成分を含む薬剤はないか、さらに飲み合わせによっては体内でドーピング検査に違反する物質を作り出してしまう危険性はないか、ということがないか判断していきます。
また薬局で買える風邪薬やドリンク剤、サプリメントなどにドーピング対象の成分が含まれていないかどうかを調べて、服用の指導を行うこともあります。
●スポーツチーム
プロのクラブチームと契約しているスポーツファーマシストもいます。
選手が薬やサプリメントを服用する際や健康に関する相談役を担います。
選手が風邪をひいたときに服用する風邪薬のなかに、ドーピング対象とされる禁止物質が含まれており、ドーピング検査時に検出されるというケースもあり、そのようなことを防ぐためにも、日ごろから薬やサプリメントの服用について相談にのったり指導を行います。
●学校等教育機関
2012年「くすり教育」が義務化されたこともあり、高校など教育機関へ出向き、薬の正しい使い方やドーピング防止の指導・薬に関する健康教育などの普及・啓発を行います。
講演会などで講師を勤めることもあります。
●スポーツ競技大会
2020年に開催される東京オリンピック・パラリンピック競技大会の選手村総合診療所でのボランティア薬剤師の募集が行われるようです。
現在日本薬剤師会から事前調査が行われており、公式な一般募集はまだ行われていないようです。(2018年7月現在)
業務としてはオリンピック開催期間中に選手村の診療所において
〇 診療所内で発生する処方箋に基づく調剤
〇 診療所等で使用する医薬品の管理
等の業務に従事するということです。
公認スポーツファーマシストの資格保有者であることはもちろん、英語で服薬指導の可否、病院・診療所での勤務経験等が問われる可能性がある為、応募のハードルは高いもののスポーツの祭典で一流アスリートと関わることのできるまたとないチャンスです。
興味のある方は随時情報をチェックしましょう。
◯スポーツファーマシストの年収
スポーツファーマシストの年収ですが、いったいどれくらいなのでしょうか。
求人募集が出される企業や病院、期間、都道府県などによっても年収は異なりますが、薬剤師として調剤業務のみを行う場合と比べると、年収は比較的高めになっているようです。
正社員として仕事をした場合、年収は500万円~600万円が一般的な水準となっています。
◯スポーツファーマシストの転職事情・転職方法
スポーツファーマシストの求人はとても稀少です。
そのためほとんど一般に公開されている求人としては出回らず、紹介会社で非公開求人として扱われていることがほとんどです。
もしもスポーツファーマシストの資格を生かして働きたいと考えている場合は、大手で求人数の多い紹介会社に登録して案件を探してもらうのが最も効率的と言えます。
現状スポーツファーマシストの資格を持っていない方であっても各種資格取得支援のある企業も多いので、ぜひ一度相談してみてください。
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