薬剤師の転職活動で最も悩むポイントのひとつが「志望動機」です。調剤薬局・病院・ドラッグストア・製薬企業など、転職先の業態によって採用担当者が求めるポイントは大きく異なります。本記事では、職場別の志望動機の例文はもちろん、ネガティブな転職理由をポジティブに変換するテクニック、採用担当者が本当に重視する評価基準まで、実践的なノウハウを網羅的に解説します。
【結論】薬剤師の転職志望動機は「自己分析×企業研究×PREP法」で組み立てれば通過率が格段に上がる
薬剤師の転職における志望動機は、単に「貴社に興味があります」と書くだけでは不十分です。採用担当者が見ているのは、「なぜ他ではなくウチなのか」「入社後にどう貢献してくれるのか」「長く働いてくれるのか」という3つのポイントに集約されます。この3つに的確に答えるために必要なのが、徹底した自己分析と企業研究、そしてPREP法(結論→理由→具体例→展望)による論理的な構成です。
転職理由がネガティブなものであっても、正しい変換テクニックを使えば説得力のある志望動機に仕上げることができます。本記事で紹介する方法を実践すれば、履歴書・職務経歴書の書類選考はもちろん、面接での口頭説明にも自信を持って臨めるようになるでしょう。
薬剤師の転職で志望動機が重要視される理由
薬剤師は国家資格を持つ専門職であるため、「どこでも働ける」という強みがある反面、採用側からすると「すぐに辞めてしまうのではないか」という懸念を常に抱えています。とりわけ薬剤師の転職市場は売り手市場が続いているものの、2025年以降は薬学部の6年制移行が完全に定着し、毎年安定した数の新卒薬剤師が供給されるようになりました。加えて、調剤報酬改定や敷地内薬局の増加など、業界を取り巻く環境は年々変化しています。
こうした状況下で採用担当者が志望動機を重視する理由は明確です。まず、応募者の「本気度」を測る指標になるという点があります。薬剤師の求人は複数のエージェント経由で同時に応募されることが多いため、採用側は「とりあえず応募した人」と「本当にウチで働きたい人」を見極める必要があります。志望動機の具体性と深さは、その判断材料として極めて重要です。
次に、入社後のミスマッチを防ぐ役割があります。調剤薬局ひとつとっても、門前薬局と面対応薬局では業務内容が大きく異なります。応募者が自社の業態や方針を正しく理解したうえで志望しているかどうかを、志望動機から読み取ろうとしているのです。
さらに、志望動機はその人のコミュニケーション能力を間接的に示す材料でもあります。患者への服薬指導や医師・看護師との連携が求められる薬剤師にとって、自分の考えをわかりやすく論理的に伝える力は不可欠なスキルです。志望動機の文章構成力は、まさにその能力の表れとして評価されます。
志望動機を書く前に必ずやるべき2つの準備
準備①:自己分析で「転職の軸」を明確にする
志望動機を書き始める前に、まず取り組むべきは自己分析です。ここで言う自己分析とは、漠然と「自分の強みは何か」を考えることではなく、「なぜ今の職場を離れたいのか」「次の職場に何を求めているのか」「自分が薬剤師としてどんなキャリアビジョンを描いているのか」を具体的に言語化する作業です。
効果的な自己分析の進め方としては、まずこれまでの薬剤師経験を時系列で振り返り、「やりがいを感じた瞬間」と「不満や違和感を覚えた瞬間」を書き出します。たとえば「在宅訪問で患者さんから直接感謝された時にやりがいを感じた」のであれば、在宅医療に注力する薬局への転職という軸が見えてきます。「毎日同じ処方箋の調剤ばかりでスキルアップの実感がない」と感じていたなら、幅広い処方科目を扱う薬局や、専門薬剤師の資格取得を支援してくれる病院への転職が候補になるでしょう。
この自己分析が不十分だと、志望動機がどうしても「テンプレ感」の強い内容になってしまいます。採用担当者は何百通もの志望動機を読んでいるため、使い回しの文章はすぐに見抜かれます。SNS上でも「志望動機は、上手な文章を書くことより”本気度”が伝わるかが大事」という採用人事経験者の声が多くの共感を集めており、この”本気度”の源泉こそが丁寧な自己分析なのです。
準備②:企業研究で「なぜその職場なのか」を語れるようにする
自己分析で転職の軸が定まったら、次は応募先の企業研究です。志望動機で最も差がつくのは、実はこの企業研究の深さだと言っても過言ではありません。「調剤薬局だからこの志望動機」「病院だからこの志望動機」という業態レベルの志望動機では、同業態の他社にも同じ文章を使い回せてしまいます。採用担当者が知りたいのは「なぜ同じ調剤薬局でも他社ではなくウチなのか」という点です。
企業研究で確認すべきポイントは、経営理念・企業方針、主力事業や注力分野(在宅医療・かかりつけ薬剤師・OTC販売など)、店舗展開のエリアと規模、教育制度や認定薬剤師取得支援の有無、そして最新のニュースやプレスリリースです。特に中小規模の薬局では社長のインタビューや企業理念に独自性が表れることが多く、そこに共感を示すだけでも「しっかり調べてきている」という好印象につながります。
「この会社のここが自分の叶えたい事と合っている!と話せるようにすると、志望動機が明確になる」というキャリアアドバイザーのアドバイスがSNSでも広く拡散されており、まさに企業研究と自己分析の接点を見つけることが、説得力ある志望動機の核心です。
薬剤師の志望動機の書き方|PREP法で伝わる4ステップ
志望動機の文章構成には、PREP法(Point→Reason→Example→Point)のフレームワークが最も効果的です。薬剤師の転職においては、これを「結論→理由→具体的なエピソード→入社後の展望」という4ステップにアレンジして活用します。
まず第1ステップの「結論」では、「なぜ御社を志望するのか」を一文で端的に述べます。ここで曖昧な表現は避け、「貴社の○○に共感し」「貴社の○○という取り組みに魅力を感じ」のように、具体的な要素を盛り込みます。
第2ステップの「理由」では、その結論に至った背景を説明します。自分のキャリアビジョンや薬剤師としての目標と、応募先の特徴がどのように合致するのかを論理的につなげます。
第3ステップの「具体的なエピソード」では、これまでの経験の中から、志望理由を裏付けるような実体験を盛り込みます。「前職で○○の経験をしたことで、△△の重要性を実感しました」のように、具体的な場面を描写することで説得力が格段に増します。数字を入れられる場合はさらに効果的です(「1日あたり○枚の処方箋を処理」「在宅患者○名を担当」など)。
第4ステップの「入社後の展望」では、入社したらどのように貢献したいかを述べます。「これまでの○○の経験を活かし、貴社の△△に貢献したい」「将来的には認定薬剤師の資格を取得し、□□の分野で専門性を発揮したい」など、前向きなキャリアビジョンを示すことで、採用担当者に長期的に活躍するイメージを持ってもらえます。
履歴書に書く志望動機は200〜300文字程度が目安です。職務経歴書にはより詳しく400〜500文字程度で記載し、面接では1〜2分で口頭説明できるよう準備しておきましょう。
【職場別】薬剤師の転職志望動機の例文集
調剤薬局への転職|志望動機例文
調剤薬局は薬剤師の転職先として最も多い業態です。志望動機では、かかりつけ薬剤師として地域医療に貢献したいという思い、服薬指導を通じた患者との継続的な関わり、在宅医療への興味などを軸にすると効果的です。
例文①:在宅医療に注力する薬局への転職
「貴社が地域の在宅医療に積極的に取り組まれている点に強く共感し、志望いたしました。現職の調剤薬局では3年間にわたり外来患者への服薬指導を中心に業務に携わってまいりましたが、高齢の患者さんが通院困難になり来局されなくなるケースに何度も直面し、在宅医療の重要性を痛感しておりました。貴社では在宅訪問件数が月間200件を超え、多職種連携にも力を入れていると伺っております。これまで培った服薬指導のスキルと、昨年取得した在宅療養支援の研修修了資格を活かし、貴社の在宅医療チームの一員として地域の患者さんのQOL向上に貢献したいと考えております。」
例文②:かかりつけ薬剤師を推進する薬局への転職
「貴社がかかりつけ薬剤師制度を全店舗で推進されている点に魅力を感じ、志望いたしました。前職のドラッグストアではOTC販売と調剤業務を兼務しておりましたが、一人ひとりの患者さんとじっくり向き合う時間が限られることに課題を感じておりました。今後は患者さんの薬歴管理を一元的に担い、健康相談から生活習慣改善のアドバイスまで包括的にサポートできる薬剤師を目指したいと考えています。貴社の「地域のかかりつけ薬局」という経営理念のもとで、5年間の調剤経験と接客スキルを活かしながら、患者さんに信頼される薬剤師として成長してまいりたいです。」
病院への転職|志望動機例文
病院薬剤師の志望動機では、チーム医療への参加意欲、専門薬剤師や認定薬剤師を目指す向上心、臨床現場で医師や看護師と連携して薬物治療に深く関わりたいという思いが響きます。病院は調剤薬局に比べて年収が低い傾向があるため、「なぜあえて病院を選ぶのか」という問いに対する明確な答えが特に重要です。
例文③:急性期病院への転職
「貴院の病棟薬剤業務の充実した体制に魅力を感じ、志望いたしました。現在、調剤薬局にて4年間勤務しておりますが、処方意図を十分に理解しないまま調剤している場面があることに課題意識を持ち続けてまいりました。貴院では薬剤師が全病棟に常駐し、医師への処方提案や副作用モニタリングに積極的に携わっていると伺い、自分が目指す臨床に近い薬剤師像を実現できる環境だと確信しました。将来的には感染制御認定薬剤師の資格取得を視野に入れ、チーム医療の一翼を担える薬剤師として貢献してまいりたいと考えております。」
例文④:がん専門病院への転職
「がん薬物療法に特化した貴院で、より専門性の高い薬剤業務に携わりたいと考え、志望いたしました。現職の総合病院では混注業務や抗がん剤のレジメン管理に2年間従事してまいりましたが、がん領域に特化した環境でさらにスキルアップしたいという思いが強くなりました。貴院はがん専門薬剤師の育成プログラムが充実しており、学会発表や論文執筆のサポート体制も整っていると伺っております。これまでの経験を土台に、がん専門薬剤師の認定取得を目指しながら、患者さんの薬物治療の質向上に貢献したいと考えております。」
ドラッグストアへの転職|志望動機例文
ドラッグストアの志望動機では、OTC医薬品を含めたセルフメディケーション支援への意欲、地域住民の健康増進への貢献、調剤とOTC販売の両方に携わることで幅広いスキルを身につけたいという姿勢が評価されます。
例文⑤:調剤併設型ドラッグストアへの転職
「貴社が調剤とOTC販売の両面からお客様の健康をトータルにサポートされている点に共感し、志望いたしました。現職の調剤薬局では処方薬の調剤と服薬指導が中心でしたが、患者さんから市販薬やサプリメントについて質問されることが多く、OTC医薬品の知識を深めてセルフメディケーション支援にも携わりたいと考えるようになりました。貴社は地域密着型の店舗運営を展開され、健康イベントの開催にも積極的と伺っております。調剤業務で培った薬学的知識を活かしつつ、OTC医薬品のカウンセリング力も磨き、地域のお客様の「かかりつけ」として頼られる存在を目指してまいりたいです。」
製薬会社・企業への転職|志望動機例文
製薬会社や企業への転職は、調剤経験しかない薬剤師にとってハードルが高く感じられるかもしれませんが、臨床現場で培った知識や患者視点は大きな武器になります。志望動機では、臨床経験をどのように企業業務に活かせるかを具体的に示すことがポイントです。
例文⑥:製薬会社のMR(医薬情報担当者)への転職
「貴社の新薬開発力と学術情報の充実した提供体制に魅力を感じ、志望いたしました。調剤薬局で5年間勤務する中で、MRの方から提供される医薬品情報が処方判断に大きな影響を与えていることを実感してまいりました。臨床現場で処方箋を受け取る立場だったからこそ、医療従事者が本当に必要としている情報がわかります。この経験を活かし、医師や薬剤師に対して臨床現場の視点を持った質の高い情報提供を行い、貴社の医薬品の適正使用推進に貢献したいと考えております。」
管理薬剤師への転職|志望動機例文
管理薬剤師のポジションを志望する場合は、マネジメント経験やリーダーシップ、後輩指導の実績を盛り込むことが重要です。
例文⑦:管理薬剤師ポジションへの転職
「貴社の新規出店に伴う管理薬剤師の募集に際し、自身のマネジメント経験を活かせると考え、志望いたしました。現職では副管理薬剤師として3名のスタッフの業務管理やシフト調整を担当し、在庫管理の効率化にも取り組んでまいりました。具体的には発注システムの見直しにより廃棄金額を月間15%削減した実績があります。貴社が掲げる「患者さん第一」の理念のもと、スタッフが働きやすい環境を整備しながら、地域に信頼される薬局づくりに貢献してまいりたいと考えております。」
未経験業態・ブランク明けの転職|志望動機例文
調剤未経験で調剤薬局に転職する場合や、育児などでブランクがある場合は、その点を正直に認めたうえで、学ぶ意欲と過去の経験で活かせるスキルを前面に出すのが効果的です。
例文⑧:ブランク明けのパート薬剤師として復帰
「出産・育児のため3年間のブランクがありますが、子育てが一段落した今、薬剤師として再び現場に立ちたいという思いが強くなり、志望いたしました。貴社がブランクのある薬剤師向けの研修制度を設けている点に安心感を覚えました。ブランク期間中もeラーニングでの自己研鑽を続けており、研修認定薬剤師を更新しております。まずはパートとして業務の勘を取り戻しながら、以前の病院薬剤師5年間の経験を活かして、貴社の調剤業務の戦力として貢献できるよう努力してまいります。」
【転職理由別】ネガティブな理由をポジティブな志望動機に変換するテクニック
薬剤師の転職理由として多いのは「スキルアップができない」「人間関係がうまくいかない」「年収・待遇に不満がある」「ライフスタイルの変化」などですが、これらをそのまま志望動機に書くのはNGです。SNSでも「面接で”なぜ前の会社を辞めたんですか”と聞かれて正直に答えたら5社連続で落ちた。退職理由をポジティブに変換したら通った」という体験談が大きな反響を呼んでおり、この変換スキルは転職成功に直結する重要なテクニックです。
「スキルアップができない」という転職理由であれば、「より専門性を高められる環境で薬剤師として成長したい」という前向きな志望動機に変換できます。ここで重要なのは、「どんな専門性を」「なぜその企業で」高められると考えたのかを具体的に語ることです。たとえば「漢方薬の専門知識を深めたい→貴社は漢方専門薬局として30年の実績がある」のように、転職理由と応募先の特徴を直接結びつけると説得力が増します。
「人間関係がうまくいかない」という理由は、「チーム医療に力を入れる環境で多職種連携のスキルを発揮したい」や「風通しの良い職場環境で、スタッフ同士が切磋琢磨できる環境に身を置きたい」に変換します。ただし、前職の批判は絶対に避けてください。採用担当者は「うちに来ても同じことを言うのでは」と感じてしまいます。
「年収・待遇に不満がある」はそのまま伝えるのが最もNGとされる転職理由ですが、「自分の経験・スキルを正当に評価していただける環境で、より高いモチベーションを持って業務に取り組みたい」に変換できます。加えて、「評価に見合う成果を出す覚悟がある」という意思表示を添えることで、単なる待遇目的ではないことを示せます。
「結婚・出産・介護などライフスタイルの変化」については、比較的正直に伝えやすい理由です。「生活基盤が変わったことを機に、地域に根ざした薬局で長期的にキャリアを築いていきたい」という形で、むしろ「長く働く意思がある」というポジティブなメッセージに転換できます。
正社員として腰を据えて働くことを考えている方は、正社員薬剤師の転職完全ガイドもあわせてご参照ください。雇用形態ごとのメリット・デメリットや転職成功のステップが詳しくまとめられています。
採用担当者が教える|志望動機のNG例と改善ポイント
NG例①:どの薬局にも当てはまる抽象的な志望動機
「患者さんの役に立ちたいと思い、志望いたしました。薬剤師として患者さんに寄り添った服薬指導を行い、地域医療に貢献したいです。」
この志望動機の問題点は、応募先固有の情報が一切含まれていないことです。採用担当者からすると「これはうちでなくてもいい」と判断されてしまいます。改善するには「貴社の○○という特徴」に具体的に触れ、「だから貴社で働きたい」というロジックを組み立てる必要があります。
NG例②:前職の不満が中心になっている志望動機
「現在の職場は残業が多く、人間関係も悪いため転職を決意しました。貴社は働きやすい環境と聞き、志望いたしました。」
前職への不平不満は、どんなに事実であっても志望動機に盛り込むべきではありません。採用担当者は「ネガティブな理由で転職する人は、うちでも同じことを繰り返す」と判断する傾向が強いです。前述の変換テクニックを使い、「働きやすい環境で長期的に活躍したい」ではなく「貴社の○○という業務に携わることで、△△のスキルを磨きたい」のように、応募先で実現したいことに焦点を当てましょう。
NG例③:待遇面だけを理由にした志望動機
「貴社の年収条件が現職より良いため、志望しました。福利厚生も充実していると求人に記載があり、魅力を感じました。」
年収や待遇は転職を決める重要な要素ですし、「ワークライフバランスの改善が志望動機でもいいじゃないか」という意見もSNSでは見られます。しかし、履歴書や面接の志望動機としては、それだけでは採用担当者の心に響きません。待遇面は内定後の条件交渉や転職エージェントを通じて確認する事項として扱い、志望動機では「仕事内容」や「キャリアビジョン」に軸を置くのがベターです。
NG例④:志望動機が短すぎる・テンプレートそのまま
「貴社の求人を拝見し、興味を持ちました。よろしくお願いいたします。」
論外に見えるかもしれませんが、実際にこのレベルの志望動機で応募してくる薬剤師は少なくないと採用担当者は語っています。志望動機は最低でも150文字、できれば200〜300文字で、前述のPREP法に沿って具体的に記述してください。
薬剤師の転職志望動機に関する口コミ・リアルな声
実際に転職活動を経験した薬剤師や、採用に携わる人事担当者の声を集めると、志望動機に対する「本音」が見えてきます。
転職に成功した薬剤師からは「最初はネットの例文をコピペしていたが、全然通らなかった。自分の言葉で書き直したら面接に呼ばれるようになった」「転職エージェントに志望動機を添削してもらったら、自分では気づかなかった強みを引き出してもらえた」という声が多く見られます。一方で、「志望動機よりも職務経歴書の実績の方が重視された感覚がある」「小規模薬局の面接では、志望動機の完成度よりも人柄やコミュニケーション力を見られている気がした」という体験談もあり、志望動機は大切だがそれだけが全てではないという現実的な視点も重要です。
採用担当者サイドからは「テンプレートかどうかはすぐにわかる。企業名を変えれば使い回せる志望動機は評価できない」「志望動機で一番見ているのは、うちの薬局を本当に調べてきているかどうか」「面接で志望動機を聞いた時に、履歴書に書いてある内容をただ暗唱する人より、自分の言葉で熱意を伝えられる人の方が印象に残る」といった声が寄せられています。
Q&Aサイトでは「志望動機が思いつかない」という悩みが非常に多く投稿されており、「正直、給与が良いからとしか言えない」「どの薬局も似たような仕事内容で差別化できない」という声が目立ちます。こうした悩みへの回答として共通しているのは、「まず見学や説明会に参加して、その薬局ならではの印象を持つこと」「転職エージェントに相談して、応募先の内部情報を教えてもらうこと」の2点です。
こんな方にこの記事はおすすめ
この記事は、薬剤師として転職活動を始めたものの志望動機の書き方に悩んでいる方に向けて作成しています。具体的には、初めて転職活動をする薬剤師で履歴書の志望動機欄に何を書けばよいかわからない方、調剤薬局から病院、あるいはドラッグストアから調剤薬局など業態を変えて転職する方、転職理由がネガティブでそれをどう志望動機に変換すればよいか悩んでいる方、管理薬剤師やかかりつけ薬剤師といったキャリアアップを目指している方、育児や介護などのブランク明けで復帰を考えている方、新卒で就職したものの早期に転職を考えている方などが該当します。
地域を絞って転職を考えている方には、エリア別のガイド記事も参考になるでしょう。たとえば首都圏での転職を検討されている方は東京の薬剤師転職ガイドを、地方移住を考えている方は北海道の薬剤師転職ガイド、福岡の薬剤師転職ガイド、沖縄の薬剤師転職ガイドもあわせてチェックしてみてください。
転職エージェントを活用して志望動機をブラッシュアップする方法
薬剤師専門の転職エージェントを利用する最大のメリットのひとつが、志望動機の添削サービスを受けられる点です。エージェントは応募先の薬局や病院の内部事情に詳しく、「この薬局はこういう人材を求めている」「この病院の面接ではこういう質問が出やすい」といった非公開情報を持っています。こうした情報をもとにした志望動機のアドバイスは、自力で作成する場合と比べて格段に精度が高くなります。
エージェントを活用する際のポイントは、まず自分で志望動機の叩き台を作成してから相談することです。白紙の状態で「志望動機を考えてください」と丸投げするのではなく、自己分析の結果と企業研究で感じた魅力を伝えたうえで「この方向性で良いか」「もっと効果的な伝え方はないか」と相談する方が、質の高いフィードバックを得られます。
また、複数のエージェントに登録して意見を比較するのも有効な戦略です。エージェントによって得意な業態や保有求人が異なるため、調剤薬局に強いエージェント、病院求人に強いエージェント、企業系に強いエージェントなど、目的に応じて使い分けると良いでしょう。
面接での志望動機の伝え方|書類とは違う口頭のコツ
履歴書に書いた志望動機と面接で伝える志望動機は、内容の方向性は同じであるべきですが、伝え方は変える必要があります。面接では、書面に書ききれなかった詳しいエピソードを補足したり、応募先の薬局を見学した際に感じた印象を加えたりすることで、「暗記してきただけ」ではない生きた志望動機を届けることができます。
面接対策として押さえておきたいのは、「自己紹介→職務経歴→転職理由→志望動機→逆質問」という流れが面接の王道パターンだという点です。この流れの中で、転職理由と志望動機には一貫性が求められます。転職理由で「スキルアップしたい」と言いながら、志望動機で「ワークライフバランスを重視したい」と述べると、論理的な矛盾が生じて信頼性が損なわれます。転職理由→志望動機の流れをひとつのストーリーとして組み立てておくことが重要です。
口頭での伝え方のコツとしては、1分〜1分半程度にまとめること、最初に結論を述べること、具体的なエピソードを1つに絞ること、最後に入社後の展望で締めることが挙げられます。ダラダラと長く話すよりも、簡潔で熱意が伝わる回答の方が好印象です。
よくある質問(FAQ)
Q1. 薬剤師の転職で志望動機が思いつかない場合はどうすればいい?
志望動機が思いつかない最大の原因は、自己分析と企業研究が不足していることです。まず「なぜ今の職場を辞めたいのか」を紙に書き出し、次に「応募先のどこに魅力を感じるか」をホームページや求人票から探してみてください。両者の接点が見つかれば、それが志望動機の核になります。それでも難しい場合は、薬剤師専門の転職エージェントに相談するのが最も効率的です。応募先の内部事情を踏まえたアドバイスをもらえます。
Q2. 調剤薬局から病院への転職で志望動機はどう書けばいい?
調剤薬局から病院へ転職する場合は、「なぜ病院なのか」を明確に語ることが最も重要です。病院薬剤師は調剤薬局と比べて年収が下がるケースが多いため、採用側は「本当にうちで長く働いてくれるのか」を特に気にします。チーム医療への参加意欲、臨床現場での薬学的介入への興味、専門薬剤師・認定薬剤師の資格取得を目指す意思など、病院でしか実現できないキャリアビジョンを具体的に示しましょう。
Q3. 転職回数が多い場合、志望動機でどう説明すべき?
転職回数の多さは、志望動機ではなく「転職理由」の説明で対処するのが適切です。志望動機では、これまでの複数の職場で培った幅広い経験を強みとしてアピールし、「今回の転職を最後にしたい」という定着意思を明確に示すことが重要です。たとえば「調剤薬局2社とドラッグストア1社での経験を通じて、自分が最も力を発揮できるのは○○の分野だと確信しました。貴社で腰を据えてキャリアを築いていきたい」という形で、転職経験をポジティブに活用しましょう。
Q4. 新卒薬剤師が早期退職して転職する場合の志望動機は?
新卒で入社して1〜2年での転職は、採用側に「忍耐力がないのでは」という懸念を抱かせやすいため、志望動機はより丁寧に作成する必要があります。短い期間でも得られた経験・学びを具体的に述べたうえで、「○○の分野で専門性を磨きたい」「○○の業務に携わることで薬剤師としてのキャリアを本格的にスタートさせたい」といった前向きな展望を中心に構成してください。「入社してみて初めて自分の適性がわかった」という正直な振り返りは、伝え方次第でむしろ好印象を与えることもあります。
Q5. 志望動機と自己PRは何が違う?
志望動機は「なぜこの企業で働きたいのか」を語るものであり、自己PRは「自分にはどんな強み・スキルがあるか」をアピールするものです。両者は密接に関連しますが、焦点が異なります。志望動機では応募先の特徴と自分のキャリアビジョンの合致点を中心に述べ、自己PRでは過去の実績やスキルを具体的なエピソードとともに示します。履歴書では志望動機欄と自己PR欄が別々に設けられていることが多いため、内容の重複を避けつつ、両方を合わせて読んだときにひとつの一貫したメッセージになるよう調整するのがベストです。
Q6. 履歴書と面接で志望動機を変えてもいい?
内容の方向性は必ず一致させてください。履歴書と面接で全く違うことを言うと信頼性を失います。ただし、面接では履歴書に書ききれなかった詳細なエピソードを補足したり、職場見学で感じた印象を加えたりすることで、より深みのある志望動機にすることは推奨されます。履歴書は「要約版」、面接は「詳細版」と考えるとよいでしょう。
Q7. 志望動機に年収や待遇面のことを書いてもいい?
志望動機のメインの理由として待遇面を挙げるのは避けるべきです。ただし、たとえば「貴社の実力主義の評価制度に魅力を感じた」「成果に応じたキャリアパスが明確に示されている点に惹かれた」という形で、評価制度や成長機会と紐づけて間接的に言及するのは問題ありません。年収や休日数などの具体的な数字には触れず、あくまで「仕事へのモチベーション向上」という文脈で述べるのがポイントです。
まとめ|薬剤師の転職志望動機は「自分だけの言葉」で差がつく
薬剤師の転職における志望動機は、自己分析で転職の軸を明確にし、企業研究で応募先の特徴を深く理解し、PREP法の構成に沿って論理的に組み立てることで、採用担当者に響く内容に仕上がります。職場別の志望動機のポイントを押さえ、ネガティブな転職理由もポジティブな志望動機に変換するテクニックを活用すれば、書類選考と面接の通過率は大きく向上するでしょう。
最も大切なのは、テンプレートを丸写しするのではなく、自分自身の経験と言葉で語ることです。「なぜ薬剤師になったのか」という原点に立ち返り、「これからどんな薬剤師になりたいのか」というキャリアビジョンを描き、「だからこの職場で働きたい」という結論を導く——このプロセスを丁寧に踏むことが、転職成功への最短ルートです。志望動機の作成に不安がある方は、薬剤師専門の転職エージェントの無料添削サービスも積極的に活用してみてください。

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